|  TOP  |  お買い物方法 | 仕入れの旅 | チーズ図鑑 | モッツァレラ・ディ・ブーファラの解説と通販 | イタリアのラッツィオ州のチーズ旅2005 |

水牛モッツァレラのチーズの作り方2(モッツァレラ・ディ・ブッファーラ・カンパーナ)



10月中旬(2005年)にローマの南にある水牛のミルクで作るモッツァレラのチーズ工場に取材に行きました。4回目の今日は、モッツァレラの作り方の続編をお伝えします。

前回までのあらすじ;水牛のミルクにスターター(乳酸菌)とレンネット(凝乳剤)を加え、ミルクを固まらせました。その固まったカードを台の上に載せました。今回は、そのカードをいよいよ機械に入れて、熱湯で練る作業からのお話しです。

1.下の写真がその機械です。一段高いところに2人の職人さんが立っているのが見えると思います。(この機械の背後には、モッツァレラが漬かる15mぐらいの長さのプールが延びています。)この一段高い機械の部分から、バケツに入ったカードを機械に入れていきます。手前には前回の話で出てきたカードが載っていた四角い台が見えます。

モッツァレラチーズ工場の全景です。

2.これがモッツァレラになる前のカードの様子です。ごつごつといいますか生地の粗い木綿豆腐の硬いもののように見えました。ここで食べても、ヨーグルトのような酸味が強く味が無いので美味しくないそうです。

カードを近くで見るとどれくらいの大きさにカードを切ったのかが良く分かります。ロックフォールと同じくらいの切り方でした。

3.機械の前に立っている職人さんが機械の中を覗き込んで、新しいカードを入れるタイミングをうかがっています。

全てを機械に任せることは出来ません。チーズ作りはタイミングを見計らうことが大切です。

4.しばらくすると、どかっとバケツ一杯のカードを機械に入れました。機械の上からは熱そうな蒸気がたくさん出ています。工場内は天井が高いとはいえ、湿度は高く感じられました。職人さん達はみなTシャツにエプロン、長靴の正装です。

もっと大きいバケツを使い一度にどかっと入れれば、能率が上がりそうですが、品質を高めるためにはこの量で繰り返し、作業することが重要なようです。

5.見えづらいですが、緑色の棒が回転して、カードを掻き混ぜています。また、職人さんは、右手でが短いバットの様な棒を持って、モッツァレラに何度も挿してその伸び具合をチェックしていました。

ここでも人間による品質チェックが欠かせません。

6.準備OKで、手動で注ぎ口を開くと、出来たばかりのモッツァレラが流れてきました。光沢があり、飴細工のような美しさがありました。この時点でも美味しそうに感じます。

モッツァレラの滑り台? という感じがしました。

7.そのモッツァレラを別の職人さんが長い棒でまたまた掻き混ぜています。びろーんとよく伸びます。

若手とベテランが組んで仕事をしています。いい光景です。

8.7のモッツァレラの受け皿の下は、下の写真のようになっています。左のモッツァレラの回転ドラムには、作りたいモッツァレラの大きさの穴がたくさん付いています。(このドラムを交換することで、いろいろなサイズの水牛のモッツァレラを作ることが出来ます。)その穴に先ほどの熱々で弾力のあるカードが収まり、モッツァレラが次々に作られていました。そして、それらが塩水の入った長いプールにポトンポトンと落ちて行きます。

来年にでも実習に行きたいと思います。朝からずっと一緒に働きたいと思います。

そして、塩水に漬かったモッツァレラがここで初めてソルティング(塩をしみ込ませる工程のことです。)ことになるのです。次回は、この長いプールで見たモッツァレラの話しをしたいと思います。




・第1話;モッツァレラの食べ方に戻る。


・第2話;水牛のミルクのモッツァレラチーズ工場に戻る。


・第3話;水牛のミルクのモッツァレラの作り方1に戻る。

 


水牛モッツァレラのチーズの作り方2(モッツァレラ・ディ・ブッファーラ・カンパーナ)