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リヴァロの製造日と出荷のタイミングは順番どおりか?(フランス・ノルマンディー地方)



今回はリヴァロのチーズ工場を2日間に渡り取材して気が付いた事を3つお話ししたいと思います。



最初の話は、リヴァロの製造日と表面の色や形についてです。


出来たばかりのリヴァロ。これから一日かけて水分を自然に抜いていきます。

 

0.ミルクからカードを作り、そのカードをリヴァロの型枠に入れて、熟成庫で水分を切ります。翌日には型枠からリヴァロを取り出し、下の写真のようなステンレス製の棚に並べます。

型枠から外されたリヴァロAOC。もう出て持てるぐらいの硬さになっています。

 

1.この工場に行ったのは、8月16日と17日(2005)でした。写真のリヴァロは、8月13日製造です。今日は16日ですから、3日前に作られたリヴァロだと分かります。ヨーグルトの様に真っ白だった型枠に入っていたリヴァロに比べて、やや黄みを帯びています。

何度かウォッシュされたリヴァロ。表面にうっすらと白っぽいカビも生えてきています。

 

2.このリヴァロは、8月3日製造です。今から13日前に作られています。既に数回表面をウォッシュされています。上の写真のリヴァロに比べて一回り締まって小さくなっていることが分かります。しかし、まだリヴァロらしい赤みを帯びてはいません。

ウォッシュを繰り返すことで、人参のような色が出てきたリヴァロ。

 

3.そしてこの写真のリヴァロは、7月30日製造です。もう結構リヴァロらしい色と艶が出てきています。でも、ちょっと待ってください。2の写真とこのリヴァロはたった4日しか製造日が違わないのに、どうしてこんなにもチーズの様子が違うのでしょうか?





2つ目のお話しは、「リヴァロの熟成期間の長さは、リヴァロごとにみな違う。」という事実について見てみます。


ステンレスの棚にこうした日付が分かるタグをつけるのは良いアイデアだと思います。

 

4.写真は、7月30日製造のリヴァロ。しかし、まだ側面にガマの干草は巻かれていません。つまり、今後も数回はウォッシュしていく予定であることを示しています。

もう食べられそうな完成が近いリヴァロ。

 

5.一方こちらは、7月27日製造のリヴァロですが、既に草は巻かれています。表面のウォッシュの工程が終わったことを示しています。つまり、リヴァロはその大きさ(200gと500g)が違えば、熟成に必要な日数も当然違ってきますし、また同じ大きさのリヴァロであっても、いつ作られたかによって微妙に熟成の早さが変わってしまい、製造日から順番にリヴァロが完成して出荷できるわけではない事が理解できます。つまり、ここがチーズ製造の全てを機械化出来ない大きな理由なのです。そうです、人間の力が必要なのです。リヴァロに毎日携わる職人の経験の長さや哲学がものをいうのだと思います。





3つ目のお話しは、いつ頃に作られたリヴァロが包装されるのか。そしてその消費期限はいつになるのかといった時間の関係についてご紹介します。


紙テープではない本物の草が巻かれています。

 

6.今日の取材の最後にパッキング室に案内されました。今まさにステンレスの棚にあるリヴァロを機械で包装して箱詰めにしている最中でした。この棚の札を見ると、7月21日製造の200gリヴァロだと分かりました。今日は8月16日ですから、製造してから26日前後で出荷されることが分かります。

この表示は、おいしい内に食べて欲しい目安となる日付です。少し過ぎてから食べても問題ありません。

 

7.そして、このリヴァロが入る箱の裏側を見ると、その消費期限は9月26日となっています。このリヴァロの消費期限から逆算すれば、リヴァロが製造されたのは、7月21日ですから、ここの工場製のリヴァロは、消費期限の日の凡そ二ヶ月前(60日〜65日前)ということになります。しかし、これはこの工場に限られることです。大規模工場では、短期間にたくさんのリヴァロを出荷しようと熟成の温度を上げたり赤く着色したりして、この工場よりも早く大量に出荷しているようです。

こうした包装の部屋は全体が冷蔵庫になっていて、夏でも着込んで作業をしていらっしゃいました。

 

8.無事全てのリヴァロの包装と箱詰めが終わりました。1箱には12個のリヴァロが入っています。フランス中でリヴァロが作られているのはこの工場を入れても3つしかありません。チーズマーケットが選んだリヴァロは、Les Fromagers de Traditions -14 170 BOISSEY です。このリヴァロを知って本当に良かったと思います。その理由を今後も紹介していきたいと思います。



リヴァロの製造日と出荷のタイミングは順番どおりか?(フランス・ノルマンディー地方)