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リヴァロを作るミルクを生産する農家さん(フランス・ノルマンディー地方)



今回は、8月に訪問したリヴァロのチーズ工場にミルクを提供している20軒の農家のうちの一軒を訪ねました。今は、8月16日(2005)の午後です。午前中に訪問したリヴァロのチーズ工場のセルジュ・ルシュヴァリエさんが、帰り際に私達の要望を聞いて、いろいろな農家さんに電話で頼んでくれました。この時期は夏休みでほとんどの農家は留守にしていました。そんな中で、快く訪問を受け入れてくれたのがこの農家さんでした。




サンタクロースの様な立派な髭のダニエルさん。

 

1.その方は、写真の様にとても立派な髭を蓄えたダニエル・スィカさんといいます。30頭の牛と300本のりんごの木を育てています。

されるがままの牛くん。ダニエルさんは牛のつぼを知っているのでしょうか?

 

2.午後3時頃、日差しは高くいい天気で暑いです。牛は牧草地に放たれていたので、歩いて牛に会いに行きました。私達と通訳のジュリアもいましたが、牛たちは逃げるどころか近づいて来ます。そんな一頭にダニエルさんが声を掛けています。普段から一頭一頭に愛情を注いでいることが感じられます。

堆肥場。牧草地と搾乳場の間にあります。

 

3.これは、堆肥作りの様子です。牛の排泄物をわらや落ち葉などと混ぜて、発酵させて肥料にします。幅2メートル、長さ70m位の堆肥場が2つありました。手がかかりますが、化学肥料を使わなくて済みます。/td>

何も匂いません。

 

4.手にとって見ると、外は乾燥していますが、中はしっとりしています。糞尿の臭さは全くありません。これを牧草地やりんご畑に戻して循環させています。こうした有機農法をダニエルさんは、進んで取り組んでいるそうです。

ぷりぷりとよく育った豚君。あとでソーセージになるのでしょうか。

 

5.こちらは、飼っている3頭のぶたです。とても元気で大きな鼻を動かして、私のズボンのにおいをかいだり、舐めてきます。彼らは、リヴァロを作った時に出るホエーを飲んで大きくなります。

なかなかおいしそうなオーガニックの主食です。

 

6.これがそのホエーととうもろこしの粉末を混ぜた主食です。ミルクを出す牛にも安全な牧草をやっているので、そのミルクから出たホエーをこの豚たちにも安心して与えられるとおっしゃっています。

シードルを作る樽の数々。この他にヴィネガーも作っているそうです。何でも作れて楽しそうです。

 

7.こちらは、りんごを収穫して作るシードルの樽です。ノルマンディー地方の飲み物です。こうした農家が作るシードルはマルシェで買う事が出来ます。栓を開けて飲み残したシードルを翌日にグラスに注いでも、細かい泡がびっくりするほどたくさん出てきておいしいです。長い期間にゆっくりと発酵してできた炭酸ガスだから、液体に馴染んでいるのだと思います。(一方、人工的に炭酸ガスを入れたような大量生産のビールでは、すぐに気が抜けてしま美味しくなかった記憶があります。)

これまでで一番小さな搾乳場でした。フランスでも少なくなったこうした小さな農家を支えたいです。

 

8.こちらは、搾乳場です。一度に搾乳できるのは、たった3頭です。夕方と朝の一日2回、搾乳をしてからリヴァロのチーズ工場にミルクを運ぶタンク車がやってきます。ミルクタンクは、その都度洗浄され、乾燥して次の搾乳に備えます。とても衛生的なステンレスタンクでした。

洗濯物と家畜が一枚の写真に収まるこの風景がまさに農家という印象です。

 

9.洗濯物を背に、美味しそうに草を食べる子牛。なぜかちょうど見事に4頭が並んだので、シャッターを切りました。すぐにお腹が一杯になるのかこのあと見てみると、もう木陰に座っていました。




チーズを作る人、それを支えるミルクを提供する人。いろいろな人たちの善意が結集して初めて、おいしい食品が出来るんだと、またまた実感しました。どの人達も誇りを持っているのがうれしいです。「今年はこうしよう。」、「来年はこうしよう。」と自分達で考え、すぐに実行していくのがこうした小さな生産者達の素晴らしいところだと思います。コストダウンばかりに目が行く大手食品会社とは全然違います。チーズマーケットでは、こうした小さな作り手のチーズをこれからも紹介していきたいと思います。(自分達が一番食べたいと思っています。)これを日本で実行できるのは、小さい店で大きな誇りを持つチーズマーケットしかないと思っています。


リヴァロを作るミルクを生産する農家さん(フランス・ノルマンディー地方)