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リヴァロAOCチーズに巻いてある草はガマだった。(フランス・ノルマンディー地方)



今回は、8月に訪問したリヴァロのチーズ工場から、チーズの周りに巻く草についてのお話です。いまでは、すっかり赤い紙テープを使うメーカーが多いですが、1、2軒はいまだに伝統的な製法を守っている今回のチーズ工場もありました。




うーん、これはまさにガマの穂ですね。

 

1.結論から申しますと、この草は日本でも良く見かけるガマでした。穂の部分ではなく、草の部分を干して使います。それでは、その様子を順を追って説明します。

池は見た目よりも深く、このような長ズボン型の靴を履いて収穫します。

 

2.この工場の敷地内に広さ200坪ほどのため池があり、その周辺にガマが生えています。今日は、8月16日(火)2005です。夏休み中の学生さんのアルバイトを含めて、約10人で今後一年間に使う草を4、5日かけて収穫するのです。

どのおじさん、おばさんもいい顔をしています。彼らは普段はチーズを作たり、ミルクを搾っている農家の方達です。

 

3.そのほとんどが手作業です。穂や枯れた部分などを取り除き、いい草のところを集めて、同じ長さに揃えます。右端にいる黒い服の女性は、京都府田辺町(現;京田辺市)で元AETの英語教師をしていたジュリアさん。今回、取材の通訳として力になってくれました。

もくもくと作業をするチーズ職人のおじさん。

 

4.切り取りが終わると、牧草地にそれらの草を並べます。チーズ職人の男性が、適当な量毎に紐で束ねます。一束20kgほどの量でした。

こちらは学生さん。お昼ごはんが待ち遠しそうでした。こうした場合の仕事では、9時間ほど働くそうです。

 

5.収穫が終わると、学生さんたちが束ねた草を運びます。もうすぐ、お昼になろうとしています。

目が追う先には何がある? そうです、このリヴァロの工場に人懐こい大型犬がいたのです。

 

6.そして、この様に軒先に干すのです。乾燥して1/10ぐらに縮みます。わらの様に乾燥させれば、長く保存することが出来るのです。

ぶら下がっているのがガマの草です。これからリヴァロに一つ一つ手作業で巻きつけていきます。

 

7.そしてすっかり緑色が消え、茶色くなった草をお湯で柔らかくしてから、リヴァロの側面に手作業で巻きつけるのです。




日本でリヴァロについて書かれている本を見ても葦だとか藺草(いぐさ)とか蘭草などと書いていますが、 ちょっと違うのでは?と思っていました。何故なら初めてこの5、6月頃からこのリヴァロを輸入をしてから、実際にリヴァロに巻いてある草の長さを計ったら、1本の草で巻かれていて、その長さが長かったからです。偶然にも今回の訪問で、リヴァロで使う草の収穫現場に出会えて本当に良かったと思います。こうした取材で私達が必要だと感じると、「いつも誰かがそれを叶えてくれる。」とここ1年間ぐらい強く感じています。今日もまさにそのような有り難い一日となりました。超自然の何宗にも属さない”神”に感謝したいと思います。そして、日本の消費者の皆様に自分達が選んたチーズについて、確かな情報をお伝えしていきたいと思います。


リヴァロAOCチーズに巻いてある草はガマだった。(フランス・ノルマンディー地方)