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スーマントランになるお乳を出す牛の赤ちゃん時代の生活(フランス・ブルゴーニュ地方)



3月(2006)にスーマントラン村にチーズ農家を取材に行きました。今回はその時に見た牛の赤ちゃんの様子をお伝えします。大人の牛とは別の場所には、生まれたての赤ちゃん牛から生後3週間ほどの子牛までが飼われていました。その中に数頭が下の写真のように、鼻先に器具が取り付かれていました。これは、一体何なのでしょうか?

生まれて3週間ほど経った赤ちゃん。おっぱいが飲みたいよー。

正解は、牛の赤ちゃんにお乳ではなく、草を食べるようにするために使う器具です。ちなみにこの牛は、白地に茶色の斑が特徴のモンベリアール種です。生後まもない赤ちゃんは、そばに居るお母さんのおっぱいを吸ってお乳を飲み育ちます。しかし、ある一定の時期になるとこのような器具を口に付けて、お母さんのおっぱいを吸おうとすると、おかあさんのおっぱいがこの尖った器具が当たるので、お母さんは痛くなり、自分の赤ちゃんにおっぱいをすわせなくなるのです。吸いたくても吸えなくなると、お腹の空いた赤ちゃん牛は、近くにある草を食べるようになり、徐々に大人の牛のような食生活が出来るようになるというものです。こうして赤ちゃん牛ばかりが同じ囲いの中で暮らしていると、お互いのおっぱいを吸おうとする行動が見られます。もちろん、まだお乳は出ませんがお互いにおっぱいが恋しくてこういう行動をするのかもしれません。何だか少しかわいそうな気もします。それ故、ミルクは大事に利用して、それを人間は無駄にしないでおいしく食べなければ申し訳ないと思いました。北海道ではこの春に大量の牛乳を廃棄したそうです。農政が悪いと思います。酪農家に生産させておきながら、捨てるなんて・・・。また、「たくさん生産したから、みんなでたくさん飲みましょう。」というのも変な話だと思います。日本の牛乳がもっともっと美味しければ、何も言わなくても誰もが進んで飲むのではないかと思います。フランスに負けないおいしい牛乳やチーズが生産されるような取り組みに期待したいと思います。北海道をはじめ日本で、美味しくて安い乳製品が出来ると嬉しいです。


スーマントランになるお乳を出す牛の赤ちゃん時代の生活(フランス・ブルゴーニュ地方)