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パルミジャーノレッジャーノを作る朝と夕のミルクと銅丸釜



9回目の今日は、パルミジャーノレッジャーノになる朝と夕に搾乳されたミルクのお話です。



パルミジャーノレッジャーノは、単純に搾ったミルクをそのまま固めてチーズにするのではありません。朝と夕方の一日2回搾られるミルクを半々にしてチーズを作ります。長い一日の始めと終わりの様子、そしてパルミジャーノレッジャーノの銅丸釜についてお伝えします。

夕暮れのパルミジャーノレッジャーノのチーズ工場。これで長い一日も終わりです。

 

1.パルミジャーノレッジャーノは夕方のミルクから始まります。搾乳が終わるとすぐに道を挟んで隣にあるチーズ工場に運ばれます。

早朝のパルミジャーノレッジャーノの工場にミルクを運ぶタンク車。

 

2.一方、こちらは翌日に朝に搾られたミルクがパルミジャーノレッジャーノのチーズ工場にやってきたところです。

夕方のミルクをステンレスのバットに流し込みます。

 

3.さて、話を1の写真の夕方のミルクに戻しましょう。早速タンク車のミルクをホースを使い、ステンレス製の大きなバットに流し込みます。時刻は夜7時半を回っていました。

パルミジャーノレッジャーノになる夕方のミルクを寝かせるステンレス製のバット。

 

4.ゆっくりとホースを伝ってミルクがバットの隅々まで流し込まれます。ます。

パルミジャーノレッジャーノになる夕方のミルクを寝かせるステンレス製のバット。手前側が低くなるように傾斜がついています。

 

5.これで終わりました。このまま明日の朝までゆっくりと寝かせます。こうして、ミルクの中の脂肪分を表面に浮かせて、クリーム分を取り除くのです。

2005年度の最優秀パルミジャーノレッジャーノ職人となったマッテオさん。

 

6.さて、つぎの朝です。前日の夕方のミルクが入っていたバットからといを使い、パルミジャーノレッジャーノのかく釜にそのミルクを注ぎ入れます。ミルクは、バットの底のほうから伝わっていきますので、分離した上層部の乳脂肪分は釜には流れていきません。

パルミジャーノレッジャーノの各丸釜にミルクを流し込む樋(とい)。

 

7.この写真の画面の右奥に先ほどのバットがあります。といを伝ってさらに今朝搾ったばかりのそのままのミルクも丸釜に注がれます。つまりパルミジャーノレッジャーノに使うミルクは、その日の朝のミルクと前日の夕方のミルク(乳脂肪分が大よそ除かれたもの)を半々の量で混合して使っているのです。

縦一列に並ぶパルミジャーノレッジャーノの丸釜。全部で5個ありあました。

 

8.今日は3つの丸釜を使いパルミジャーノレッジャーノを作ります。一度に3つの釜でパルミジャーノレッジャーノを作るのではなく、順番に一つ一つ時間をずらしながら、作っていくのです。1つの丸釜にミルクは、1000リットルも入ります。チーズ職人の方と見比べると丸釜の大きさが分かると思います。

底がとても細くなっているパルミジャーノレッジャーノの丸釜。

 

9.この丸釜、地面より上だけの深さではなくて、このように地面下にも細長く伸びていてとても深いのです。覗き込むと吸い込まれそうになるくらい深いです。大体2メートルはありそうなので、大人が中に入っても一人で出てこられないかも知れません。この胴製の釜ですが、とてもきれいに磨かれありました。いいパルミジャーノレッジャーノが出来そうな予感がします。




・第1話;「パルミジャーノレッジャーノの外形をぐるっと紹介します。」 


・第2話;「パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その1」


・第3話;「パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その2」


・第4話;「いろいろなパルミジャーノレッジャーノ。えっ? 」


・第5話;「パルミジャーノレッジャーノになれなかったチーズの保管棚 」


・第6話;「パルミジャーノレッジャーノの牛が食べるもの 」


・第7話;「パルミジャーノレッジャーノの牛の生活 」


・第8話;「パルミジャーノレッジャーノの牛の品種 」



パルミジャーノレッジャーノを作る朝と夕のミルクと銅丸釜