パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その2 |
3回目の今日は、パルミジャーノレッジャーノの表面にあるさまざまなスタンプや焼印の中で、余り見かけないものや身分証明書のような意味を持つ焼印をご紹介したいと思います。 |
|
1.これは、全てのパルミジャーノレッジャーノに付けるラベルです。このラベルでパルミジャーノレッジャーノ協会は、各チーズ工場で幾つのパルミジャーノレッジャーノを生産したかを管理しています。実際に数字を見てみますと、まず上には、02とありますが、これは2002年製造ということです。また88818という数字も見えますが、通し番号になっていてこのパルミジャーノレッジャーノ固有の番号で、他に同じ番号のパルミジャーノレッジャーノは存在しません。このラベルは、カゼインというタンパク質で作られています。(カゼイン;牛乳のタンパク質の1つで全体の約8割を占める物質でミルクを酸で処理して沈殿させて取り出します。)CFPRとあるのは、パルミジャーノレッジャーノ協会の略記号です。 | |
|
2.これはチーズに限らず、ハムや小麦などの農産物あるいは、サンドウィッチなどの惣菜や加工食品などに付けられるCEEナンバーというものです。ユーロ圏で共通のマークになっていて、原産国および製造者が分かるようになっています。I は、イタリアの頭文字です。08/248は、このパルミジャーノレッジャーノの工場固有の番号です。 | |
|
3.この1012は、何を表しているのでしょうか? これも2と同じでこのパルミジャーノレッジャーノがどこで作られているのかを示す刻印です。2は、食品全てに当てはまるユーロ圏共通のスタイルですが、この1012は、計524ヶ所あるパルミジャーノレッジャーノの工場の中で、どの工場であるかを表す番号なのです。このメーカーはモデナにありますので、1000番台で始まる番号になっているそうです。それ以外の場所、例えばパルマなどでは、別の番号から始まるようになっています。 | |
|
4.これは何でしょうか? 作ったチーズが、めでたくパルミジャーノレッジャーノとして認められるといよいよ販売出来ます。でも時には、「販売するのを少し待って下さい。」とパルミジャーノレッジャーノ協会から言われます。それは何故かと申しますと、524社あるパルミジャーノレッジャーノ工場から市場に一斉に出荷されると市場原理で、需要を超えた量になれば、パルミジャーノレッジャーノの値段は下がってしまいます。そこで協会がパルミジャーノレッジャーノの出荷量を調整しています。このスタンプは、パルミジャーノレッジャーノを一定の時期(写真では4月)まで販売しないで下さいという意味のものです。と言われても生産者にとっては一日でも早く販売して現金化したい。えさ代、ミルク代、職人さんへの給料やその他いろいろな支払いがあるからです。そこでこのスタンプがあるパルミジャーノレッジャーノなら担保になり、つなぎ融資として販売予定額の相当額をカバーするお金をその製造者に貸付けできるのです。こうして金銭的な解決を図り、チーズ市場での需給のバランスを保っているのです。 | |
|
5.最後はこのスタンプです。パルミジャーノレッジャーノとして認められる焼印とは別にこのEXTRAの焼印付きのパルミジャーノレッジャーノを見かけることがあります。これは、最低18ヶ月以上の熟成期間を経た後に、そのチーズのコンディションがとても良い場合だけにこの焼印を取得することが出来ます。誤解して欲しくないのは、1年目(12ヶ月)にパルミジャーノレッジャーノである焼印をもらったチーズが、さらに6ヶ月おいて置けば、合計で18ヶ月となり、全てのチーズが無条件にこのEXTRAの焼印を取得できることではないのです。つまり、作り方が良く、さらに保管状況も優れているパルミジャーノレッジャーノにだけが得られる焼印なのです。もちろんチーズマーケットのパルミジャーノレッジャーノは全てこのEXTRAの焼印があり、熟成期間も24ヶ月以上のもだけです。(また、EXTRAと全く同じ意味で付けられている焼印に、EXPORTというものもあります。) |
パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その2 |