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パルミジャーノの作り方4(カードをパルミジャーノレッジャーノの型枠に入れます。)



今回は、大きなカードから2つのパルミジャーノに分けた後のお話で、そのカードを型枠に入れる様子について詳しく見ていきます。一つ一つの作業は実に丁寧に進んでいきます。こういう人が作ったパルミジャーノレッジャーノを輸入できて本当に良かったという思いが再びこみあげてきました。では、ごゆっくりご覧ください。




 「せーの」とは言いませんがいい呼吸でパルミジャーノレッジャーノを持ち上げます。

 

1.銅釜に残っていたいホエーは、すっかり抜かれています。このホエーの一部は、明日のパルミジャーノレッジャーノ作りに必要な乳酸菌の培養に使われます。また、ほとんどのホエーは、豚の餌としてタンクに移されて売られていきます。さて、本題です。2人で棒につるしてあったパルミジャーノレッジャーノの布をほどいて、カードを持ち上げます。

たくさんの水分を含んでいるので50kg以上はあると思います。

 

2.そのまま2人でパルミジャーノレッジャーノの型枠に移動させて入れます。

本当に入るの?と思うくらい大きいパルミジャーノレッジャーノのカードでした。

 

3.マッテオさんが一人で上から押すようにして麻の布に入ったままでカードを型枠に押し込みます。

子供の頃に見たお豆腐屋さんのおからの塊のようでした。

 

4.巻かれていた布をほどくと表面から一斉に湯気が立ち上ります。マッテオさんは、熱気にめげず表面の様子を調べます。

もくもくと作業をするマッテオさん。

 

5.側面の布のしわを伸ばそうと、布をビシッと引っ張ったのち、再び麻の布を手前から丁寧にパルミジャーノに巻いていきます。

作業をする腕の筋が力強く動いています。相当な力が入っているようです。

 

6.奥の方の布も同様にして巻き、折りたたみます。この時も左右から外に布を引っ張り、しわを伸ばしていました。

漬物石と同じ原理で、余分な水分を取り除いています。

 

7.型枠の側面にある縄がついた取っ手をつかみ、ぎゅーと締め上げていきます。その後で上から重石をのせて、カードから水分を抜くと同時に平らになるようにします。

私なら見逃すと思うような小さな割れ目にも注意を払います。

 

8.おやっ、マッテオさんが何か見つけました。それは、カードの表面にあった小さな割れ目でした。たかだか2cmほどでしたが、曲がるカッターナイフの様な道具でその部分が全て取り除けるように切り取りました。

この割れ目を取り除けばもう大丈夫。また素晴らしいパルミジャーノレッジャーノが出来ることと思います。

 

9.これが、その部分です。こうした小さな割れ目を見逃さないことが大切だそうです。こうした小さな傷が、あとでパルミジャーノレッジャーノの表面に大きな亀裂が走りカビが中まで発生する原因になるようです。

パルミジャーノレッジャーノが載る台は使い込まれた木製です。松の木です。また、プラスチック製のハンマーもあります。

 

10.ここまで作って、朝の10時半ぐらいです。重石を載せいていますが、パルミジャーノレッジャーノのカードのかさがあるために重石が浮いて見えます。この状態で1時間ほど置きます。(次回につづく)




・第1話;「パルミジャーノレッジャーノの外形をぐるっと紹介します。」 


・第2話;「パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その1」


・第3話;「パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その2」


・第4話;「いろいろなパルミジャーノレッジャーノ。えっ? 」


・第5話;「パルミジャーノレッジャーノになれなかったチーズの保管棚 」


・第6話;「パルミジャーノレッジャーノの牛が食べるもの 」


・第7話;「パルミジャーノレッジャーノの牛の生活 」


・第8話;「パルミジャーノレッジャーノの牛の品種 」


・第9話;「パルミジャーノレッジャーノを作る朝と夕のミルクと銅丸釜 」


・第10話;「パルミジャーノの作り方1(ミルクを銅釜で固めます編) 」


・第11話;「パルミジャーノの作り方2(銅釜からカードを出します編)」


・第12話;「パルミジャーノの作り方3(一つのカードから2つのパルミジャーノに)」


パルミジャーノの作り方4(カードをパルミジャーノレッジャーノの型枠に入れます。)