チーズマーケットでは、イタリアから日本までオリーブオイルを運ぶ場合には、飛行機でわずか半日で札幌に着くように輸入しています。これにより、日本についてからのオリーブオイルの消費期限もより長くなりますし、そして何より輸送中のオリーブオイルの劣化を未然に防ぐことが出来ます。しかし、日本で売られている輸入オリーブオイルのほとんどは、船便です。イタリアから日本まで一ヶ月以上もかかり、途中でとても暑い赤道地域を2回も通過します。その期間もずっとドライコンテナ(エアコン無しの暑い部屋の様)の中にオリーブオイルが置かれています。日本で売られているワインもこうしたドライコンテナによる船便の輸入がほとんどです。ワインが高温になることで、体積が増してコルクが浮き上がる現象もよく見られます。ひどい時にはコルクからワインが噴き出し、ラベルが汚れたワインも見かけます。(こうした理由から、”ワインしみ”のあるラベルのワインを買ってはいけないのです。)当然、オリーブオイルにとっても高温はよくありません。空輸の費用は船便の数倍かかりますが、オリーブオイルの持つ本来の品質を保ったままで日本に運ぶことが出来ます。そしてチーズマーケットでは店頭やネット店で直接一般消費者とつながっているために、そうした費用も価格に転嫁せずに、高品質をリーズナブルな価格で提供出来るのです。 |
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では、もっと詳しくチーズマーケットのオリーブオイルの輸入方法を見てみます。もしもその輸入貨物がチーズと一緒なら、オリーブオイルも冷蔵で空輸します。もしもオリーブオイルだけの貨物ならば、そのまま常温で空輸しています。しかし、ご存知のように空輸の場合には、常温といいましても、飛行機は行程のほとんどを高度1万メートルほどのとても寒い上空を飛んでいる関係で、スーツケースなどを積み込んだ貨物室はそれなりに低温になっているようです。(一例をあげますと、旅行時に到着した空港でスーツケースを受け取ると、夏でも荷物が冷たくなっている事に気が付くことが時々あります。)私達も、貨物が新千歳空港に到着したばかりでオリーブオイルを受け取ると、オリーブオイルは固まっていることがよくあります。しかし、このオリーブオイルの低温での輸送は、品質にとっては悪いことではなく、むしろ良いことではないかと思います。 |
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それはどうしてかと申しますと、輸送中はオリーブオイルはとても揺れ動かされます。高温や常温ではオリーブオイルは液体なので、輸送中によく振られます。つまりオリーブオイルの分子運動が活発になり、僅かですが瓶に入っている空気とも酸化しやすい状態と云えます。しかし、冷蔵輸送の場合ではオリーブオイルが固まっているので、揺れても瓶の中のオリーブオイルが動くことはほとんどありません。つまり分子運動も僅かで、瓶内の空気との酸化も起こりにくいと云えます。こうしたことからもオリーブオイルは輸送中も分子運動が小さくなるように、高温よりも低温がいいと考えられます。 |
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同じ理由から、チーズマーケットでお買い物をされたお客様にオリーブオイルをお送りする場合にはこのように2通りの方法でお届けしています。チーズとオリーブオイルの両方をご注文された場合は、オリーブオイルも冷蔵でお送りしています。オリーブオイルだけのご注文の場合は、常温でオリーブオイルをお送りしています。お届けまでに2、3日ぐらいなので、両者の差はほとんど無いといってもよいでしょう。 |
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最後にオリーブオイルが固まることについてです。市販の全てのオリーブオイルが低温になると固まるわけではありません。チーズマーケットで輸入する特に良質なエクストラヴァージンオリーブオイルでは固まりやすいようです。フィルターを使わずオリーブの実に含まれる様々な自然の香り成分やビタミン類、細かい果肉などがオイル分と共に含まれているので、固まりやすいのです。一方、こうした一番搾りを終えて残ったオリーブの搾りかすも棄てずに最利用されます。たくさんの搾りかすに化学薬品などを加えて高温・高圧でとことん搾り出して別のオリーブオイル(風味がない)を生産します。こうしたものは低温でも余り固まらないのです。つまり、オリーブオイルが固まるというのは、そのオリーブオイルの品質の高さも証明しているのです。どうぞ、安心してお召し上がりください。 |
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以上をまとめますと、「オリーブオイルの輸送は、短時間・短期間に行い、なるべく温度が上がらないように注意することが大切。」ということです。 |