エメンタールチーズ(Emmental cheese)は、こうした姿・形で輸入されます。 |
今回は、チーズマーケットで輸入しているスイスのチーズ、エメンタールの様子をお伝えします。一般の消費者の方達がチーズを買われる場合には、100g、200gのカットが多いと思いますので、元のチーズ全体がどんな感じでそのどの部分を切ったものかをイメージするのは難しいと思います。そこで、今回は何枚かの写真でエメンタールの大きさを実感して頂きたいと思います。まず下の写真のように、エメンタールはとても大きなチーズです。私の知る限りでは世界で一番大きなチーズだと思います。1つで100kg前後はあります。さすがにこの大きさで輸入すると、いい状態のうちに売り切ることは難しいので、いつも1/4の大きさで輸入しています。しかし、これでも30kgほどあるのです。これは、イタリアのチーズの王様と言われるパルミジャーノレッジャーノとだいたい同じ重さです。写真のように、1/4でこの大きさなので、1個にするととても大きくて分厚い座布団のようなチーズである事が想像できます。 |
エメンタールは、牛乳製のチーズでチーズフォンデュには欠かせないチーズです。加熱するとよく延びるのが特徴で、そのまま食べても穏やかな風味なので多くの人に親しまれています。ヨーロッパでは、サンドウイッチの具としてもよく使われています。日本は薄くスライスされたプロセスチーズが売られていますが、もともとはこのエメンタールの味をヒントにして作られたのではないかと思います。でも、今こうしてエメンタールチーズの味を知ってからは、もうあの似て非なる味のスライスチーズを食べる気にはなりません。私のように日本のスライスチーズが嫌いな方も、このエメンタールを薄切りにしてパンと食べれば、きっと本来のチーズの味がどういうものかを思い出しますし、もっとチーズが好きになると思います。ごはん粒のように飽きの来ない味がするチーズがエメンタールなのです。 |
さて、話をチーズの手入れの様子に戻しましょう。上の写真のようにエメンタールなどのハードチーズがチーズマーケットに届きますと、美奈子店長が一つ一つのチーズを包装された箱などから出して手入れをします。まず、表面に付いているごみやほこりを水拭きで取り除きます。そして、次に消毒用のアルコールを浸み込ませたふきんでさらに表面を磨きます。裏面を拭く時には、美奈子店長では重くてひっくり返せないので私がやります。こうして、全ての面をきれいにしてから、ピアノ線で少しずつカットしていくのです。 |
今回のエメンタールも素晴らしい状態でした。エメンタールの顔とも言える大きな穴も平均的に揃っています。エメンタールは真空包装に適したチーズですが、それでも一週間で売れる量だけをパックしています。残った大きなエメンタールは、チーズペーパーでしっかりと包装をして、次の週までゆっくりと大きな冷蔵庫で休む事になります。以前はスイスで予め小分けにされた真空パックのエメンタールを輸入していましたが、やっぱり時間と共に劣化してしまい、チーズに雑味が残りました。しかし、今はこの方法で行なっているので、いつもいい状態でエメンタールを売ることが出来るのです。こうした手間を掛けることがチーズの品質向上につながっていると感じながら、今日もチーズのカットを行なっています。 |
エメンタールチーズ(Emmental cheese)は、こうした姿・形で輸入されます。 |