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カマンベール・ド・ノルマンディーAOCの作り方1(フランス・ノルマンディー地方)



2005年8月中旬に、フランスのノルマンディー地方にカマンベール・ド・ノルマンディーAOCのチーズ工場一つ、REO社の取材に行きました。今回からカマンベールの作り方を順を追って解説していきたいと思います。今回は、ミルクにレンネットを入れて固まらせる前段階のお話しです。




REO社、フランスではReauxと呼びます。

 

1.朝9時半にREO社のカマンベール・ド・ノルマンディーAOCの工場に着きました。住所は、ノルマンディー地方の北西にある大西洋側に面した小さな村、Lessayです。写真の手前側は駐車場になっています。大型観光バスで見学に来る方も受け入れています。右に見える白い扉が直営の売店です。カマンベールはもちろん、ミルクジャムやビスケット、そしておみやげ品もいろいろとありました。左手の三角屋根の部分が事務所です。さっそく、訪ねることにしました。もちろんアポイントはランジス市場の担当者を通じて取ってあります。

工場長の部屋の棚に着替えがありました。

 

2.この方が、工場長のBrunet Marcさん。とても親切な方でした。チーズマーケットの店の写真を見せたりして、私達の仕事ぶりを説明しました。日本からのお土産も渡しました。しばし、雑談した後にいよいよ工場を見せてもらいます。帽子、白衣、靴をすっぽりと覆うブーツの着替えを頂いて、いざ出発です。

タンク車は一度に2台平行に並んで受乳場に入ることが出来ます。

 

3.初めのミルクタンクが留まる所にやってきました。朝8時ぐらいからミルクタンク車がやってきます。工場の周辺の農家、約60戸で生産されたミルクです。牛の品種はノルマンディー種で目の所に茶色や黒のぶちがあるのが特徴です。そして、全てのミルクが工場に届くのが午前11時ぐらいです。この写真の右側に見えるように大きなステンレスタンクが4基ほどありました。この場所は、1の写真の左側の奥の方にあります。

ミルクを運び終えて、帰るタンク車。今日も良い天気です。

 

4.見た感じのとおり、2トンぐらいの比較的小さなタンク車でした。数台のタンク車が、契約している農家を巡回してミルクを集めてくるそうです。ミルクが工場に来るのは、一日1回です。(でも、農家での搾乳は、一日で朝と夕の2回あります。)屋外に立つミルクタンクの中の温度は、6℃です。

メスシリンダーなどが見える実験室。床はタイル貼りで清潔です。

 

5.工場にやってきたミルクは、タンク車毎に、品質を調べます。主に細菌検査です。チーズで問題になるのは、主に大腸菌とリステリア菌などです。ロックフォールのチーズ工場でもありましたが、左の写真のようにこのREO社でも実験室は完備していました。

次回に訪問するときには、出来たばかりのクリームを買ってこようと思います。

 

6.これが牛乳からクリームを採る機械です。35℃に温めてクリーム分と脱脂乳に分離させます。クリームはその後96℃で高温殺菌されて16時間ほど寝かせて(熟成させる)と香りが立ってくるそうです。瓶詰めにして出荷していました。(大好物の苺にかけてはちみつと一緒に食べたくなりました。)また、採れたクリームの一部はバター作りに使われます。

15℃で牛乳を寝かせていたとは、・・・。美味しさの理由の一つがここにありました。

 

7.脱脂乳は別のタンクに移されます。そして15℃で16時間保管されます。これは、”maturation”といって熟成させるのに必要な時間なのです。スーターター(乳酸菌)もこの時点で脱脂乳に加えられています。そして16時間後つまり、翌朝からいろいよカマンベール・ド・ノルマンディーAOCのチーズ作りが始まるのです。




(感想)REO社の工場はとても清潔でした。働く人たちも生き生きとしていました。次回からお玉を使ってカマンベールになるカードを型枠に入れる作業を見学していきます。


カマンベール・ド・ノルマンディーAOCの作り方1(フランス・ノルマンディー地方)