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冬が長い札幌に適した住宅性能と暖房について



今回は、注文住宅を建てるための勉強を10ヶ月間した結果分かった、住宅性能や暖房や給湯設備についてのお話です。南北に長い日本では、各地で建て方が多少異なるとは思います。しかし、北海道は次世代省エネルギー基準としては、最も厳しい条件であるT地域に指定されていて、住宅性能の中で断熱性や気密性、計画換気において高水準をクリアーする家にしないと、快適な暮らしが出来ません。住宅性能が低い家では一日中とても寒く、高額の光熱費を支払うことになります。北海道以外の温暖な地域で家を建てる時には、今回のお話の全ては参考にならないと思われるかも知れませんが、日本で一番厳しい自然環境に対応できる家が一体どんな物かを知ると、ご自身で住宅を建てる時に考えるべき視点が見えてくるのではないかと思います。
 
初めに下の写真ですが、今回建てる店舗付住宅のCGです。左方向が北で、南北に広がる三角屋根になっています。南側屋根には太陽光発電(5kw)のパネルを取り付けます。この住宅の目標は、光熱費を低く抑えて極力二酸化炭素の排出を抑える事です。商売柄どうしても冷蔵庫で電気を多く使うので、せめて自分達の生活ではエネルギーを余り使わないようにしたいと思います。生活を振り返りますと、最もエネルギーを多く使っているのは、やはり長い冬には欠かせない暖房と給湯です。

チーズマーケットの完成予想図。この時点からまたいろいろと変わりましたが、こんな感じの家になります。


暖房と給湯時のエネルギー消費を抑える事と同時に暖房で得た熱を失いにくくする高性能も求められます。この性能の判断基準となる目安が、熱損失係数(Q値)や相当隙間面積値(C値)と呼ばれる数値です。T地域の北海道でのそれらの値は、それぞれ1.6以下、2.0以下となっています。数値が低いほど性能の高い住宅だと認められています。今回の契約書では、このQ値を1.0以内になるように謳いました。 今回、私達が契約した会社は、「Q1プロジェクト」という活取り組みを行なっている「新住協」の会員でもあり、話をしたところ2006年度分の事業の中で、チーズマーケットの新築工事でこの「Q1プロジェクト」をやることになりました。(こうした数値をクリアーするには、高い施工技術がない会社では無理なので、この数値を確約出来る会社は、素晴らしい施工業者であることを意味します。)

では、暖房はどの様なものがいいのでしょうか? 私達が選んだのは、床下暖房でした。(注;床暖ではありません。)床下暖房にもいくつかの方法がありますが、研究した結果次の方法に決めました。床下の基礎部分は空間になっていますが、まずそこに温水が通るパイプを敷き詰め、さらにコンクリートを上から流し込んでパイプを包み込みます。次に格安(日中の1/3の料金)の深夜電力(夜11時〜翌朝7時)を利用します。その電気で無駄の少ない効率の良いヒートポンプ式の電気給湯機を使う事で、少ないエネルギーで多くのお湯を作ります。その温水をパイプで運んで床下のコンクリートに熱を移して、床下のコンクリート全体に蓄熱させるのです。この蓄熱した熱のお陰で、朝7時から夜11時までは全くエネルギーを使わずに済むのです。しかもコンクリートから出るのは遠赤外線なので、体により伝わり易いそうです。北海道の一般的な住宅では、真冬だと一日中ストーブを焚かなければならないのですが、この方法なら光熱費が随分と節約出来るようです。また暖房機を部屋に置く必要がないので、部屋のレイアウトも自由に出来ますし、広く使えます。また、温風や空気の対流もないので、空気中のほこりが部屋の一部分に吹き溜まることもありません。とても素晴らしい暖房方法だと思います。

つまり、この住宅が省エネルギーになる為の大きなポイントは、高い住宅性能(高断熱と高気密)を持つ事、そして暖房を効率の良いヒートポンプ式の床暖房(エコヌクール)にすることなのだと分かったのです。


さらに出来るだけエネルギーを消費しない住宅にするために、これら以外の点についても検討して次の様にしました。
 
1.暖房用とは別に、お風呂などに必要な給湯もヒートポンプ式の給湯機(エコキュート)を採用。
2.基礎断熱工法の採用。(最下階床で断熱構造とせず、基礎外周で断熱層を構成する手法。)
3.窓には、全てLow-Eガラスのアルゴンガス入りの樹脂サッシを採用。
4.玄関ドアには、T地域に対応できる断熱ドアを採用。
5.木造内断熱工法を採用。(高密度のグラスウールを壁・天井等に充填し断熱性を高める。)


また、より快適な生活が出来るように、次の様な工夫や選択もしました。
 
6.構造は、在来工法の木造軸組を選んだ。(柱で支える構造なので、増改築が容易。)
7.尺をやめメートル単位にした。(階段も広くなり、手持ちの家具の配置も決め易い。)
8.階段を吹き抜け部分と一体に収めて、縦に広がる開放感を得て省スペース化も図った。
9.吹き抜け天井近くに大きな窓を設けて、太陽の光と熱を有効に取り入れるようにした。
10.バルコニーを設け、それに面した風呂にして、窓から景色が見える様にした。
11.男便所も設けた。(年々、一般住宅から男便所が無くなっているそうです。)
12.全フロアーをチークの天然無垢材にして、時間と共に自然に朽ちるようにした。
13.システムキッチンは、総ステンレス製にした。
14.調理レンジは、IHと電熱線の2つが使えるコンパクトなものにした。


昨年の5月に土地を買った時には、直ぐに家を建てたいと思いましたが、思い留まって本当に良かったです。こうして時間をかけて勉強したことでいろいろな事が見えてきました。本当に良かったです。納得していろいろな事を決めて行ったので、これからの自分の家により強い愛着が沸くと思いますし、何よりも今後何か問題が起きた時も、あわてずに自分達で対応できる知識が備わったと思います。この10ヶ月の間に、モデルハウスやショールームを回り、カタログを頂いて検討したり、10社以上のハウスメーカーの方とお話が出来たり、各社の見積もり書を頂いて比較検討したして、一つ一つ学んでいきました。次第に別々の情報だったものが繋がってきて新たな発見がありました。さて、次回は私達がどのようにして施工を依頼した会社を選んだかについてお話したいと思います。


自分にとって理想の家を建てるには、一度では無理だという話を聞いた事があります。この完成する家も後からいろいろと改良点が出てくると思います。この家を参考にして、70歳までに第二の家を作るチャンスがあったらいいなぁーとも思います。


(続報)4月6日(木)、ついに契約を交わしました。縄張りとくい打ち工事が4月12日から始まります。4月中に基礎工事が終わり、GW明けに木工事が始まります。ようやく家が建つ実感が沸いてきました。


冬が長い札幌に適した住宅性能と暖房について