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正解は、製造から何日経ったかだけの違いです。(どれも、同じメーカーの同じチーズです。)向かって右端が、最も若いやぎのチーズです。若い時は、表面が粉っぽく、まぶした灰や墨の色がまだ鮮明です。重量感があり、輪郭もはっきりしていて高さもあります。しかし、時間と共に熟成されていくと、黒っぽかった表面にいろいろな白っぽいカビなどが生えてくるので、全体の色の印象もやや薄くなり、重量も水分が蒸発するために軽くなって、ひとまわり小ぶりになってきます。更に表面はカビの成長の結果、すこしの凹凸も出て来ます。(でも、表面のおうとつが激しすぎるのは、良くないです。) |
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この4つは、ランジス市場で見せてもらったやぎのチーズですが、どれも状態は、乾燥していてとてもよいと思います。もし悪い状態のやぎのチーズなら、何といいましても表面がぬるぬるに濡れていたり、持てないほど柔らかかったり、元の形が崩れていたり、全ての表面の色や艶が均一でないなどが例としてあげられます。
こうした観点を自分でしっかりと持ち、またこうした4つの時期でチーズを食べてみると、自分の嗜好がよく分かってくると思います。 |
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最後に、下の写真をご覧下さい。この4つのやぎのチーズはどれも同じチーズと云いましたが、それとは別に、その上にある2つの筒状のチーズも同じものなのです。2つを比べると随分と大きさが違いますね。 |
「どちらが得なんでしょうか?」とフランス人に質問したところ、笑われました。一方は重いけど、若くて熟成されていないから、味の深みが無い。一方の左側は、小さくなったけれど味が濃厚になっている。うーん、仰る通りですね。 |
正に何事も、「全てを手に入れることなんて出来ない。」・・・ですね。 |
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「日本では、こうした事情を知らない消費者が、やぎのチーズの重量が軽くなり、そのラベル表示と違うじゃないかというクレームをもらったことがある。」と話をしたら、目をむいてとても驚かれていたのが印象的でした。日本でもチーズのことをもっと理解してもられるように啓蒙活動をしなくてはと再認識した一日でした。 |
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(MAY 2004 パリ・ランジス市場にて) |