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これが、コンテチーズの見えないラベルだ

 
 
正解は、フランスのジュラ地方のコンテというチーズです。上の楕円形の緑のラベルから読み取れる情報は、次の5つです。a.フランス、b.コンテチーズ、c.2004年、d.5月、e.製造者番号(39KSさん)です。また、その左にある数字の12は、12日であることを示しています。まとめますと、このコンテチーズは、「2004年5月12日に39KSさんが作りました。」ということなのです。このラベル表示は、下の2枚の写真のように車輪のようなコンテの側面に貼り付けられます。(この5月12日に私たちは、このコンテの工場に行きました。)
 
 
左の写真のとおり、日本に来た頃には、製造されてから1年半から2年は経っていて、その間何度も表面を洗ってるので、製造時につけたラベルはもう見えません。右をご覧ください。そっと、ナイフで表面を削ってみましたが、元のような文字を解読できません。なので、私たち輸入者でも、何ヶ月経ったコンテなのかが分からないのです。


 
左の写真をご覧ください。このように各コンテの情報を示すラベルには、熟成期間は、「12から15ヶ月」(AFF 12/15M)というようにおおざっぱです。最初にご説明したコンテの側面にある緑ラベルのような本来の製造日は、この白ラベルからは分かりません。こうしたことを考えますと、日本で何も知らないお客に、「このコンテは30ヶ月ものでございます。」なんて云うのは、まったく当てにならない空事だと分かります。次に右の写真をクリックしてください。このメモは、私たちがランジス市場でコンテを選んでいる時にその担当者がコンテの包装紙に書いてくれたメモです。2002年の7月に作られたもので、夏草を食べたミルクから作られたものであるとおっしゃいました。そうなんです。こうしたハードチーズの詳細な製造時期は、私たち輸入者ですら現地に行って担当者に直接聞くぐらいしないと、なかなか分からないことなのです。でも、そんなことは、どうでもいいんです。フランス人もいちいち気にする人はいません。要は目の前にあるチーズが本当に美味しいかどうかが一番大事な情報なのです。だから能書きよりも試食が大事なんです。余談ですが、現代ではコンテはほぼ一年中作られているようです。でも、冬に作ると牛もフレッシュな草を食べられないので、どうしても、コンテの味もやや落ちるようです。そういう意味でも、今回のコンテ・レゼルブ(H44)は大当たりチーズでした。いろいろな方のお力が結集した結果、日本に居ながらにしてこんなおいしいチーズを頂けることに私たちは、感謝しています。ご馳走様でした。


これが、コンテチーズの見えないラベルだ