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ミモレットチーズの空輸品にはダニ君も元気(オールドミモレット)


画面の左上から右下にお読みください。      
ミモレット全景jpgミモレットラベルjpg ミモレットカット台jpg
1)これが、オールドミモレットの18ヶ月熟成の全景です。(18の数字があります。)表面には、粉ダニによる穴やかじられたチーズの粉があふれています。冷蔵空輸のお陰です。 2)左上の日付は、3月31日で、18ヶ月は経っていることを示します。今日は9月12日。更に5ヶ月以上経て、今は23ヶ月ぐらいです。メーカーから出荷される時点では、18ヶ月以上のミモレットはありません。後は、各チーズ専門店が更に熟成をさせて20、24、28ヶ月ミモレットなどといって売っているのです。 3)白いカット台に載せ、ピアノ線で切りました。色・艶を見て、香りを確かめます。いい状態だとすぐに分かります。販売される前に温度管理が悪くてダニ君が死んでしまったチーズを指して、数ヶ月経ったから、”24ヶ月ものだ。”と云っても意味がないです。
ミモレットハーフjpgミモレット拡大jpg ミモレット粉ダニjpg
4)表面から中心に向かいグラデーションのように色が変化しているのが分かります。透明感があり、美しいです。外側の方が硬くしまっていて、味も濃厚です。オレンジ色のぎりぎりまで食べられます。 5)表面の拡大写真。まるで月世界。今も粉ダニ君たちが、活発に動いていて、よく見ると表面の粉が動きます。こんな微生物が活動できる環境が、如何に自然であり素晴らしいかなのです。(あやしい合成保存料などや著しい温度変化が今までに無かった事を証明しています。) 6)カットの際に落ちたダニ君たちと食べ残しの粉チーズ。生産地では、これは捨てずに、次の新しいミモレットの表面に何度もまぶします。人工的に作れない生きた粉なのでチーズ作りに欠かせない貴重なものです。

一部のチーズ専門店では、この表皮を削りとって販売していますが、表皮はそのチーズの状態を 知る上で大切な情報源なので、これを消費者に見せないやり方は、アンフェアーです。いくらでも誤魔 化せます。輸送中に一時的にでも高温な状態があれば粉ダニが死んでしまいこのように粉が噴き出すことが無く、よい熟成が進んでいきません。冷蔵の空輸での輸入と冷蔵の国内運送を確実に行い、売る直前まで現地と同じ環境を常に保てるかがミモレットに限らずナチュラルチーズの味の決め手です。そしてチーズを選ぶ時には、このような健康的な外皮になっているかを自分の目で確かめる事が大切なのです。
 
最後にダニと聞いて、驚かれた方もいると思いますが、ダニがいる外皮の部分を食べても全く問題ありません。畳などにいるダニとは種類が違うのです。(でも、普通は皮は外して内側しか食べませんので、ダニを口にすることはありません。)ミモレットに限らず表皮にダニなどの微生物がいるハードチーズやブルーチーズは、珍しくありません。むしろそれは、防腐剤や防かび剤などが塗られた工業的なチーズではなく、より自然に近い環境で作られたチーズであり、より安心だと言えます。また、微生物が住むハードチーズの表皮は、そのチーズを美味しくしてくれた微生物の分け前なのです。

読み物;「これぞチーズ専門店」をどうぞ。
日本にある一般小売店で買ったチーズが、なぜ美味しくないのかがよく分かります。



 1092円/100g当

ミモレットチーズの空輸品にはダニ君も元気(オールドミモレット)