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メルマガ26号(酒や食品の個人輸入では、販売することはできない。)




---------------Cheesemarket.jp mail news 2003 vol.26--------------------

                ☆☆☆札幌チーズマーケットからのメールマガジン☆☆☆
                                                                 http://www.cheesemarket.jp

                 -------------目次-------------

                 1)個人輸入で、食品を販売できるか?


----------------------------2004/3/29-----------------------------

こんにちは、チーズマーケットの山本 知史です。3月もあと少し。ようやく札幌も暖
かくなり、昼ご飯を食べた後は気持ちよく寝むたくなってきます。あー、雪が溶けてう
れしいよぉ。北海道に来てより春の到来を待ちわびるようになりました。次の楽しみは、
桜の開花です。


さて、今回は次の1本です。

                 1)個人輸入で、食品を販売できるか?


海外旅行も以前に比べずいぶんと安くなり、手軽に出かけられるようになり、ありがた
いです。ヨーロッパなどでの買い物をしたろいろな食品を持ち帰り、個人的に食べる事
のは結構ですが、もしもそれ以外に使うと、食品衛生法違反に問われる事も・・・。

そこで、今回は食品の輸入についてのお話です。


-------------- 1)個人輸入で、食品を販売できるか?--------------------


(1)輸入と個人輸入の違いは何か?

食品の一般輸入は、商業目的のために行いますが、個人輸入はあくまで自家消費
(自分で消費する)するのが目的なので、販売はもちろん、知らない第三者にあげたり、
食べさせる事は出来ません。つまり個人輸入した食品では、販売する事はできません。
(もちろん、普通に関税の支払いはあります。)

(2)なぜ販売できないのか?

それは、その食品の安全性の裏づけになる証明書などの添付がなく、安全確認が取れ
ないからです。そうした食品を日本に入れてそれが不特定多数に渡り、もし異常が発見
された時には、回収など重大な事態になるからです。海外の小売店で売られている食
品には、日本で使用禁止されている添加物などが含まれるものが多数あります。それ
を承知で個人的に食べる・楽しむのは自由ですが、それを知らない人に販売するのは、
危険なので違反になるのです。

食品を輸入する為には、事前に安全性の確認の為に、検疫へ届出をしなければなりま
せん。一方個人輸入の場合、検疫手続が不要です。これは個人使用を前提としていま
すので、「私は個人使用の為にこのチーズ(或いはワイン)を輸入しました。」とい
う旨で輸入申告を行います。でもその許可が出た後に、ひるがえって不特定多数の者
に販売すると、それは当たり前ですが、食品衛生法違反に問わてしまうのです。

個人輸入といえないものは先の例の通り、海外旅行の際に持ち帰る食品などです。こ
れらも免税の範囲を超える超えないではなく、あくまで自家消費目的を前提としてい ま
すので、販売はできません。しかし実情では、飲食店や酒販店の者が、ワインや酒や
食品を現地で買い、スーツケースで持ち帰り、それらを自分の店で客に飲ませたり、
販売したり、試飲させたりすれば、食品衛生法違反に問われます。つまり正規の検疫
手続きを行っていないからです。こうした検疫手続きが必要なのは、全ての食品(酒
や飲み物も)はもちろん、食器やおもちゃなど口を付けるもの全てを対象としています。
(詳しくは、担当の役所にお問い合わせください。)お皿やグラスなどを検疫手続き
をせずに日本に持ち込み、そのまま販売をすれば、これまた食品衛生法違反に問われ
ます。輸入雑貨などの店で売られているこうしたものが、単に店主が持ち込んだもの
なのか、正規の輸入手続き(検疫+通関)をきちんと済ませたものか、必要があれば
確認したほうがいいと思います。磁器、陶磁器の皿やカップなども法定以上のカドミ
ウムを含む石から作られた危険なものもあるからです。正規に輸入するためには、輸
出元が事前に公的検査機関で検査した証明書をその皿などに添付しなければ、検疫の
許可は下りません。つまり、個人使用のみ許されるだけです。

このように、食品はもちろん、食器やおもちゃなどを輸入する場合には、その成分や
製法、添加物の有無などのあらゆる項目について、その安全性を証明しなくては、販
売に供することは出来ないのです。


(3)チーズマーケットは、個人輸入で商売をしているのか?

このHPをご覧になるだけで、実際に来店されていない方の中には時折、誤解されて
いる方を見かけますが、「チーズマーケットは、個人輸入ではありません。」

個人輸入では、食品の販売は出来ないからです。

開業当初は、個人事業主の「山本知史」の名で輸入しておりましたが、もちろん正規
の検疫手続きを毎回行う、一般輸入です。検疫担当官が空港の保税倉庫に出向き、
貨物と品質証明書などと照合します。また年に数回、モニタリングといいまして、実
際のチーズに違法な添加物やリステリア菌などが無いかどうかの抜き取り検査にも
積極的に協力しています。また、自主検査も適時に行います。それらがクリアーにな
って初めて、輸入申告をして通関業務を終えます。

だから、全国の消費者に対して、胸を張って安全なチーズを販売することが出来るの
です。日本のチーズ専門店でこうした輸入実務までを行っているはほとんどないよう
です。大手チーズ輸入業者などは、まとめて通関業者に輸入実務の全てを任せ、通関
が終わって店まで運ばれた後からのチーズの管理になります。しかし、チーズマーケ
ットでは、空港の保税倉庫にチーズがある段階から、既にどんな状態で届いたかに目
を光らせ、そこからもう品質管理を始めているのです。だから、チーズの品質に自信
があるのです。劣化している場合、何処でどうなったからだという原因の分析までで
きるのです。それはこうしたいろいろな局面でチーズを見ている経験の積み重ねがあ
るからなのです。

また、検疫への書類を提出する為に、イタリアやフランスなどの輸出元から届く原語で
書かれたあらゆる書類やチーズのラベルや箱などにまで全てに目を通し、調べ上げま
す。こういった地味な作業を重ねる事で、メルマガ24号でお伝えしたようなだれも知ら
なかったチーズに関する情報を独自に手に入れられるのです。こうしたプロセスを踏ん
でいる事が、その他のチーズ専門店との大きな違いでもあるのです。
余談ですが、こうした調査の全ては私と店長の美奈子の2人で行っています。特に、店
長は語学力に優れ、英語はもちろんドイツ語、イタリア語、フランス語を理解できます。
(会話は日常会話程度ですが、・・・。)


チーズマーケットは、開業から3年後には、法人化(有限会社アークトレード設立)をし
て、引き続き同じ方法で輸入を継続しています。

要は、輸入と個人輸入との違いは、検疫を受けているかどうかなのです。

輸入者(輸入申告者)が個人でも法人でも、別にどちらでも輸入は出来るのです。誰が
税金(関税)を払うかだけの問題だからです。

それよりも、輸入の際にきちんと検疫を受けているかどうかが重要であり、それを行
えば一般輸入扱いになり、販売する事ができます。

一方、法人成りでも、検疫を受けていない輸入の場合(例;サンプルとして入れる場合
など)には、販売する事は出来ないのです。

当たり前といえば、当たり前な話ですが、個人事業主でも、きちんと検疫手続を受け
られる為の書類を揃えられれば、通常の輸入ができ、販売も出来るのです。輸入する
ために、わざわざ個人事業主が、法人化(会社組織にする)する必要はないのです。


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メルマガ26号(酒や食品の個人輸入では、販売することはできない。)