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メルマガ24号(フランスの地図でチーズ産地を勉強する)


--------------Cheesemarket.jp mail news 2003 vol.24-------------

☆☆☆札幌チーズマーケットからのメールマガジン☆☆☆
http://www.cheesemarket.jp

-------------目次-------------

1)フランス語が読めなくても、
フランス産チーズの生産地がこうして分かる。

----------------------------2004/3/8----------------------------

こんにちは。チーズマーケットの3月は、お陰さまでさらに良い回転で
チーズが売れております。皆さんから頂いたご注文のエネルギーを次の
輸入に向け、どんどんいいチーズが輸入出来るようにがんばりたいと思
います。

チーズについては、やりたいことがたくさんあります。知り得た事は、
出来るだけ早めに「形にして残しておきたい。」と思います。私達がこ
うしてチーズに携わり商売がうまくできているのは、継続的に買って下
さっている皆様方のお陰です。恩返しの意味でも、知り得たあらゆる情
報をいち早く、無償でお客様にお届けしたいと思っております。

そして、こうした取り組みからチーズに対する理解が深まり、誤った見
方や誤解が解ければ、何よりだと思います。


さて、今回は次の1本です。

1)フランス語が読めなくても、フランス産チーズの生産地がこうして分かる。

これは、私達がチーズの輸入という仕事をしながら、発見してきたこと
の一つです。チーズに限らずワインなど、全てのフランス食品を買い求め
るときにこの地図があれば、たとえフランス語が読めなくても生産地の大
体の位置関係がわかり便利です。

皆様にとって、きっと役立つと思います。


--------1)フランス産チーズの生産地はこうして分かる。----------

前回のメルマガ23号で、自分が食べたチーズがとても美味しかった時、
そのチーズのことをもっと知りたいと思うことがあると書きました。

知りたいなぁと思うことの中で、そのチーズが一体どの地方で作られて
いるかを知るには、こうすればいいのです。チーズに付いているラベル
や箱のある部分に注目するのです。写真を見てください。
11Crottin.jpg
この写真のラグビーボールのようなマーク。そうです、CEEナンバー
です。この数字の初めの2桁がフランス国内の郵便番号を表しています。
この場合、F18.194.50 CEEですから、最初の二桁18が
このチーズが作られている地域の郵便番号です。これを次の表から探し
ます。→ France-postcode.jpg
すると18番は、Cherとなっています。ここが生産地域の名前なの
です。フランスの郵便番号はAから順なっているようです。ちなみにパリの
郵便番号は、75番です。

そしてこの地域名にさらにこれは何処にあるんだろうと地図で探す場合は、
次の地図の中から郵便番号の18の場所を探してください。
地図は、こちら。→ France-map.jpg

注)出て来た地図の中央あたりにマウスのカーソルを置くと、拡大できる
マークがでてくると思います。それをクリックすれば大きい地図になります。
(ブラウザーがインターネットエクスプローラーの場合)

はい、ありました。地図のちょうど中央部に18とあり、CHERと書いて
あります。ここで、このクロタン・ド・シャヴィニョールAOCが作られてい
るのです。(すべてのクロタンがここで作られているわけではありません。)

では、もう一問(Q2)。このチーズは何処の何という地域でしょうか?郵便
番号と地域名とフランスのどこら辺にあるか言ってみてください。(正解は、
末尾にあります。)
miniclac.jpg

あと一つです(Q3)。このチーズは何処の何という地域でしょうか?郵便
番号と地域名とフランスのどこら辺にあるか言ってみてください。(正解は、
末尾にあります。)
gourblanc.jpg
(このように時々CEEナンバーが2桁ー3桁ー2桁のはずのところが、このよ
うに5桁ー2桁になっているものもあります。
次の写真をご覧下さい。
food1.jpg
こうした調理パンなどにもCEEナンバー(91番)が付いています。
food2.jpg

これにも挑戦してみてください。郵便番号の表  から調べると、ESSONNE
とういう場所ですね。それでは、  地図上の位置   はどこですか?

えっ、見つからない??? ヒントはパリ周辺の下の小さい地図にあります。
もう、お分かりですね。


だいたい要領が掴めましたか? このようにしてチーズやワイン産地を学んでい
く時にはフランスの地図など、視覚的な記憶が残るものと共に進めるのです。

その時、自分が飲んだ事も食べた事もないワインやチーズのことですと、やる気
は余り出ません。別にどうでもいいと思うからです。つまり、欲求が低いからで
す。しかし、今まさに目の前にあるチーズやワインの事でしたら、それはもう意
気込みが全然違います。ましてそれが自分にとって美味しいものならなお更エネル
ギーが増します。こういった地図に、自分が食べたチーズの生産地域をマーカーで
塗っていきます。これを繰り返していくと徐々に産地と味の関係が分かってきます。
そして、こうした自分だけの地図を持つ事が後々のいろいろな場面で、参考になり
ます。自分だけの地図が、自分のチーズの歴史を一目で教えてくれるのです。

さらに、別の地図を用意して、これはワイン用などに使います。これまた同じよ
うに飲むごとに、点を増やしていくと、地域と味の特徴が分かってきます。こと
ある毎に、短時間でも何度も自分の地図を見るようにします。

すると今、自分が調べている食品の生産地域の名前やその周辺の地域の名前にも
目に入るようになり、フランス語にも興味が沸いてきます。なんて発音するんだ
ろう、観光地なんだろうか? etc こうした積み重ねがあると、旅行パンフレ
ットをもらって開いたときやTVなどで旅行紀行や美術館の特集を見たときなど、
あらゆる場面で、自分が自分の地図で記憶した地域名が目に飛び込んできます。

そうして、たった一つのチーズからワインや地理、そして音楽や美術や歴史へと
広がりを見せるのです。最後には、是非行ってみたいという欲求も生まれるでしょう。

ワインもチーズも勉強(この方法が勉強なの?)をすればするほど、この先は一
体どこなんだとその奥深さに気が遠くなるほどです。でも、「千里の道も一歩か
ら。」というではありませんか。この方法が貴方にとって楽しいと感じれば、い
や美味しければ、きっと続くと思います。

「食べたい、飲みたい、楽しみたい。」これは前進するための大きなエネルギー
です。これを使わない手はありません。だから、自分がおいしと思うチーズなら、
前に進めるのです。勉強したくなるのです。学ぶ事は本当に楽しいです。

人から与えられた物ではないからです。それぞれがそれぞれのペースで、知りた
い事だけを学ぶ。最大の娯楽だと私は思います。そして、それは年々積み重なり、
横に縦に有機的に繋がり見えなかったもの、気が付かなかったものが見えるよう
になってきます。長生きすればするほど、楽しめると思います。
歳をとるのは、ほんとうに楽しいなぁ。

逆に、ただ飲むだけ、食べるだけでは積み重ねがないために、買う度にどれにす
れば、自分の好みのチーズを買えるのかという力は身に付きません。(今まで述
べた事までして、学びたいとは思わない方は、それはそれでいいと思います。)

また、それほど深刻に考えないで下さいね。チーズを買う度に試食をすればいい
チーズは確実に買えますから、・・・。

「楽しかったら、お試しあれ。」程度の話です。

お陰さまで、私はこの仕事をして、今まで興味が無かった分野(クラッシック音
楽や歴史など)もどんどん興味が沸いてきました。ピカソの生まれ故郷のマラガ
(スペイン)へ行った時、ピカソがパリのレストランで食事を取ったときのレシー
トが展示してありました。何を食べたのかが、読めたときには自分でもうれしく
なりました。(大したことではないのですが、十分うれしいのです。)ピカソも
こんなデザートを楽しんだのかと思いました。

最初からフランス語が出来なくても、全然平気なのです。(初めから何でも知って
いる人なんていません。)大事な事は、最初の一歩を踏み出すエネルギーがあ
るかどうかなんだと思います。エネルギーは感動から生まれます。でも、日頃
から感動する感性がないと感動が知らない内に前を通り過ぎるかもしれません。

だから、私達も普通に美味しいぐらいじゃダメなんです。お客様が、「感動する
ほどおいしいチーズだったわ。」と言って頂ける様なチーズを提供したい。それ
を目指して、日夜チーズの手入れを行っているのです。

皆様方のご健闘をお祈りしております。

「チーズを知るには、地図がいい。」
また、しょうもないしゃれで。

  おしまい。


それでは、先の問題の解答です。

Q2;郵便番号71は、地図の中央の少し右に位置する、SAONE-ET-LOIRE です。
Q3;郵便番号19は、地図の中央の少し下に位置する、COREZZE です。



追伸;

印刷用にきれいな地図が欲しい方はこちらから。
http://www.rockfield.net/map/france/france.htm

今回は、白地図をご提供していただきました岩野 忠昭 氏のお陰で、
ようやくこのメルマガ24号を作ることが出来ました。

この場を借りて、御礼を申し上げます。

なお、上のアドレスから得た白地図には、ご自身で郵便番号を
ご記入ください。力がつきますよ。ワインの生産地域の勉強にもなります。


それでは、また。

メルマガ24号(フランスの地図でチーズ産地を勉強する)