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パルミジャーノレッジャーノのリコッタ



いくらお金を出しても手に入らないものは、世界中にたくさんあります。(それが食品なら、なお更です。)私達が特にお勧めするこのパルミジャーノレッジャーノを作っている小さなチーズ工場では、週に2日だけパルミジャーノレッジャーノを作った後に残るホエーで、リコッタを作って即売しています。もちろん輸出はしていません。(するほどの量がないからです。)興味のある方は是非、時間をかけて現地までお越しください。

パルミジャーノレッジャーノのホエーを集めてこの鍋で煮詰めます。

一つを買ってホテルに戻り食べました。正直言ってこの味には脱帽です。我々チーズマーケットをもってしてあらゆることに神経を使い最高のコンディションで輸入でき、すぐにお客様にお渡ししても、この味に勝るリコッタにはなりえないと思います。なぜならリコッタはフレッシュチーズなので、最短でも合計18時間ほど必要なここモデナからの輸入では、現地イタリアですぐに食べる味を超えられないからです。(25個ぐらいをほぼ1日で売り切るそうです。)

このリコッタは、ご覧の通り全て手作りです。良質なミルクと愛が入っています。

この工場のオーナーの方も申しておりましたが、リコッタはとても安いので、こんなに時間をかけて毎日作っても利益がとても薄く意味がないそうです。しかし、地元の人達に愛されている直営店の自負で、その方たちに喜んでもらおうと、週に2回だけ作っているそうです。なるほど、早速昼前から地元の人達が、2個、3個と買って行かれていました。リコッタを作らない日は、このホエーはそのまま売られていきます。そうです、あのパルマのプロシュートになる豚の美味しいえさとして。通りで生ハムが美味しくなるわけですね。

ざるを持ってとても熱い鍋の中からリコッタをすくいます。

私達チーズマーケットの合言葉と云いますか、これまでいろいろなチーズの生産現場を見てきて感じて得られた言葉に、「小さいことは素晴らしい。」というのがありますが、この小さな工場のリコッタの味は見事にこれを証明してくれたと思います。(低品質のミルクをたくさん集める超工業的大規模チーズ工場のホエーではまねの出来ない本当の美味しさがここにあります。)またどこかに国には、「寄らば大樹の陰。」とか「大きいことはいいことだ。」なんて訳の分からない言葉がありますが、こと食べ物に関していえば、これらは全く当てはまらない言葉だと感じます。例を挙げますと、ここイタリアでもスーパーマーケットの肉や魚より、専門店で肉や魚が高品質なことが多いです。またさらに生産者が開くマルシェ(露天市)ならば、より確かな食品を手に入れられると感じました。このリコッタには、作り手が持つ買い手への愛を感じました。残念ながらこのリコッタの輸入はできませんが、こうした愛のある作りの手のチーズをこれからもどんどん日本の方に紹介していくことが使命だと感じました。


パルミジャーノレッジャーノのリコッタ