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オリーブやオリーブオイルの輸入方法(札幌・新千歳空港) |
今回は、チーズマーケットでオリーブやオリーブオイルをどのように輸入して管理しているかについてのお話です。皆様に高品質の商品をお届けするために普段は見えてこないいろいろな行程をご紹介したいと思います。 |
チーズマーケットで輸入通関している港は、新千歳空港です。国際貨物は、SIACTという保税倉庫に一旦、格納されます。輸入者や通関業者がいろいろな書類を検疫所や税関に提出して、関税と消費税を払い終えると、引き換えに輸入許可証を発行してくれます。この書類を持ってSIACTさんにいくと、無事貨物を引き取ることができます。引取りの際には、保税倉庫の利用代金も支払います。 |
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1.これが、SIACT(保税倉庫)と今回届いた貨物です。チーズと違い常温扱いなので、冷蔵庫ではなく、そのまま床に置かれています。奥の明るい部分が、飛行機から下ろされた貨物が入ってくる側です。 | |
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2.まず、貨物にダメージが無いかぐるりと貨物の回りを見ます。問題があれば、デジタルカメラで写真を撮って、損害賠償をする時の資料にします。 | |
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3.こうした貨物の角は、破損しやすい箇所なので中で商品が割れていなる場合があり注意を要します。しかし、箱に漏れたしみがないので大丈夫だと予測がつきます。今回の貨物は、2と3の写真からおおむね良好な状態だと思いました。 | |
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4.箱を開きます。仕入れ書と照らし合わせて、注文した商品とその数量が一致しているか自分の車に積み込む時に調べます。 | |
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5.ピスチョッタさんのオリーブは、このようなプラスチックのバケツに入って輸入されています 。一バケツで約6kgあります。 | |
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6.こちらは、ピアノグリッロのオリーブオイルが6本ずつ箱に入っていました。オリーブパテなども注文どおりの数が入っていました。 | |
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7.店に戻り、早速オリーブのバケツを開けてみます。漏れがないかどうかを調べて、光の当たらない涼しい場所に保管します。 | |
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8.オリーブオイルも全て箱から出して、一本一本調べます。時々ガラスの瓶に僅かにひびが入っていることもあるので、慎重に調べます。全てのチェックが終わり、光が当たらない場所で保管しています。 |
新千歳国際空港を使った輸入が優れている点は、まずこの保税倉庫の気温が30度以上になることが一年のうちで数日しかないことです。この2月は、0度前後の気温が続き、チーズやデリケートな食品には適しています。また、SIACTのスタッフの方は皆さんとても親切で、到着した貨物をテキパキとした作業で収納されていることです。その為に搬入時に貨物がダメージを受けることは全くありません。しかし以前にこんなことがありました。成田空港では、荷下ろしをする荷役さんが、貨物量に比べて絶対的に少なく、いろいろな飛行機が到着して貨物が出ても、全て順番待ちですぐに保税倉庫には収納出来ないのです。時には2,3時間もの間ずっとアスファルトの炎天下に貨物が放置されることもあるのです。運悪く?その時の貨物は、イタリアから届いたばかりのフレッシュなモッツァレラでしたが、炎天下で放置されたことで、腐敗してしまい商品にならなかった事がありました。それ以来、成田経由での輸入は一切止めました。補償をお願いしても「貨物を直ぐに冷蔵庫に入れる義務はない。」というような回答で、とても残念な結果となりました。つまり、発着数が多い空港はなるべく避けたほうがいいということなのです。高コストを承知でせっかく飛行機を使い輸入しても、時には日本の港の混雑が原因で食品が台無しになるのです。低温輸送したワインでも、荷下ろしをした日本の港湾で高温になったせいでコルクが盛り上がり、そこからワインが噴きだしてラベルにしみが出来ることがよくあるのも現実なのです。こうした各港の実情は、一般の消費者が知る由も無いことだと思います。輸入をしているといろいろなことがありますが、無事札幌に荷物が着いた時はうれしいです。思えば海外で開かれる食品見本市に行き、そこで各地の生産者との接触から始まったこの輸入という仕事もこうして店への搬入が完了したことで、やっと日本の皆様に自信を持って販売できる段階にたどり着いたのです。今回の300kgを超える貨物を運ぶことは、なかなか大変でした。70歳まで自分ひとりでやっていけるのか?・・・と不安が頭をよぎりました。体を鍛えなくては。 |
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