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オリーブの塩漬けの作り方(シチリア島・イタリア)



オリーブの実は、生では食べられません。あまりに渋くて苦味があるからです。しかし、渋柿も吊るして乾燥させると甘くておいしい干し柿になるように、オリーブの実も塩漬けにすると美味しく食べられるようになるのです。そこで今回は、オリーブの実の塩漬けの作り方を見ていきます。この方法は、ナチュラーレ製法といって、水酸化ナトリウムやグルコン酸第二鉄などの化学物質を一切使わない作り方です。(シチリア島の南西に位置するピスチョッタ・ピエトロ農園にて OCT 2004)

ドリアーナさんの説明を聞く美奈子店長。 山積みになったオリーブの樽と塩。

最初に上の左の写真のように、大きな樽でオリーブを漬けます。オリーブは、毎年10月中旬から約1ヶ月間をかけて収穫されます。今回取材に行った時ももう収穫が始まっていました。右の写真のようにシチリアの海から取れた塩も用意されています。

シチリア島でとれる海の塩です。 ぶくぶくと泡が出てきます。あくも浮いてきます。


塩はしっとりとした粗めのものを使います。まず、ホースで水を樽に流し入れ、洗浄します。その後、オリーブをタイプ別(種付き、種無し、スライスしたオリーブ)にそれぞれの樽に入れます。そして、上からホースで樽一杯まで水を入れます。仕上げに先ほどの塩を袋を逆さまにして上から載せます。これだけなのです。こうすることで、塩が自然と中の水に溶け出して行き、飽和食塩水になるまで塩が溶けていきます。蓋をしてそのまま屋外に置きます。時々、蓋を開けて、下の写真の様に上に溜まったあくを取り除きます。こうして、オリーブの中に含まれる渋みや苦味を時間をかけてゆっくりと取り除いていくのです。食べられるようになるのは、翌年の3月ごろです。実に半年も塩水に漬け込むのです。

日本でも売ってそうなあくをとる道具でした。


さて次は、オリーブの種を抜く機械を見せていただきました。左の写真の矢印に機械が回ります。するとそれぞれのオリーブの中心にささっている棒が種を押し出して、種を取るというものでした。一回転で12個のオリーブの種が抜けます。これを高速で回転させると、短時間で樽一つ分のオリーブの種が取れるそうです。

回転式オリーブの種抜き機。 見事に種が無くなっています。

次は、オリーブをスライスする機械です。これも回転式です。等間隔に並んだ回転刃を使ってオリーブを輪切りにしていきます。バラバラな向きで機械に入ってきたオリーブを刃に対して真横に整列するようにする仕掛けに工夫がありました。漬けた後ではオリーブが柔らかくてスライスしづらいので、生の内にカットしておくそうです。そして、右の写真の様にして樽で塩漬けにするのです。

回転式オリーブのスライス機。 どのスライスも厚みが揃っています。


最後は、黒オリーブの作り方です。黒いオリーブを漬けるから黒オリーブなのではありません。全ては、緑のオリーブで塩漬けにするのです。下の写真のように漬かった緑のオリーブを一旦大きなざるに入れて天日干しをします。その時にオリーブの上から塩を振りかけるのです。10月といってもシチリアの強い太陽の光で緑色をしたオリーブが見る見るうちに色が変わります。そして、一日で緑オリーブから黒オリーブになるのです。こうした製法ですと黒オリーブでも歯応えの良い美味しい黒オリーブになるのです。

フォークリフトで重い樽を持ち上げます。 これが緑オリーブが黒オリーブに変わる瞬間です。

私はおいしいオリーブに出会えて本当に良かったと思います。今では、オリーブやオリーブオイルは、毎日食べています。特に野菜が少ない冬の時期には、こうした長く保存が出来るオリーブの塩漬けがとても重宝です。


オリーブの塩漬けの作り方(シチリア島・イタリア)