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これがフランスの家庭でのチーズの保存方法です。



今回、ブーゴーさんの家庭を訪問して、感動したことがありました。それはチーズの保存方法についてでした。さっそく、下の写真をご覧下さい。


透明な蓋の付いたチーズの保存容器。冷蔵庫には入れません。

これは、日本でも見かける食品を保存するドーム型の蓋がついた容器です。ブーゴーさんは、これにチーズを何種類かを入れて保存しているそうです。うーん、それなら日本でもやっています。と言おうと思ったところ、それを台所の片隅などにそのまま置いているというのです。えーっ、冷蔵庫に入れずに常温で?・・・うーん、でもチーズの消費量が多く、毎日蓋を取ってチーズを食べるのでしたら、これでいいんだと思いました。この日もここ南フランスでは、30度を超える暑さです。家の中でも25度はありました。でも、こうした温度の中で、この容器に入れて2週間ぐらいは美味しく食べられるのだそうです。その場には、ブーゴーさんの他にお兄さんや専門学校生の方もいらっしゃいましたが、みな「そうなのよ。」とおっしゃっていたので、フランスでは一般的なチーズの保存方法のようです。フランスのレストランでは常温でチーズを並べたワゴンが置かれているのをよく見かけましたが、各家庭でもチーズを常温で保存していたなんて、・・・。


さて、蓋を取りますとその内側には、チーズから出たと思われる水分が付いて曇っていました。蓋をすることでこの様にチーズの乾燥を防ぐことができますし、一つ一つのチーズをラップで包んでいないので、蒸れてチーズの表面が水滴で濡れることもありません。また常温で置くことでチーズを食べる時にそれぞれのチーズの味と香りをより感じることが出来ると説明してくれました。


チーズの保存容器を開けるといい状態のチーズが並んでいました。

今まで、私はお客様からチーズの保存は?と聞かれますと、「ラップに包んで冷蔵庫へどうぞ。でも、ラップは毎日換えてくださいね。」のワンパターンでした。しかし、札幌より随分暑いこの南フランスで、このようにして常温でチーズを保存してもいいといいますか、むしろチーズにとっては良いことなんだと認識を新たにしました。・・・・とは言いましても、このようにしておけるのは、せいぜい2週間ぐらいなので、毎日チーズを食べない一般的な日本のご家庭では、冷蔵庫での保存がいいと思います。そして、食べる分だけを切ってお皿に載せてふわっとラップをかけ、ある程度の時間(4時間ほど)を置いてから食べた方が、そのチーズを美味しく頂けますし、また今食べないで残しておくチーズにとってもいい状態を保てると思います。チーズを一日でたくさん食べると分かっている時、例えばお友達を呼んで開くホームパーティーでチーズを出す時などは、2、3日前からこのような容器にチーズを入れて寝かせておけば、また格別な味のチーズを楽しむことが出来ると思います。ぜひ、一度お試しください。ちなみに、この容器のチーズを置く部分の素材は木が良いそうです。チーズからの湿気を適度に吸収してくれるからだそうです。



この話題になった時にも私は感じました。「フランス人って、食べる時に味はもちろん、それぞれの食品がもつ香り・臭いも同時によく楽しんでいるのだなぁー」と。舌だけではなく、鼻、目、耳などをもっと使っていろいろな食品をより美味しく食べたいと思いました。


Fromagerie Bougault(Puylaurens 15th JUNE 2005)



これがフランスの家庭でのチーズの保存方法です。