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モン・ドールチーズの製造工程3(モンドールにエピセアを巻き、塩水に漬けます編)



2月に訪問したモンドールの工場の報告として、モンドールAOCの作り方を5回にわたって解説して参ります。
3回目の今回は、モンドールの形が出来たので、セラーで熟成される前の工程を写真でご紹介します。



モンドールを巻くエピセアの樹皮。

 

1.樅の木(エピセア)の樹皮をバケツに入れて熱湯で満たします。するととてもいい木の香りがしてきます。鼻がすーっと通りそうです。樹皮の殺菌と樹皮を柔らかくしてモンドールチーズに巻きやすくするために行ないます。

モンドールを巻くエピセアの樹皮と大き目の輪ゴム。

 

2.現地フランスでは、モンドールは3タイプの大きさがあります。3キロ盤と800gのモンドール、そしてチーズマーケットで扱っている500g盤です。このサイズのことは、ベビー(Baby)モンドールを呼ばれています。このサイズのモンドールは、輪ゴムでエピセアを固定します。

ピカピカのステンレス製の作業台。

 

3.プレスされて形が出来たモンドールをステンレスの作業台に載せて、一つ一つ手作業でエピセアを側面にぐるりと巻いて、輪ゴムで留めていきます。

作業に使う手袋は、ことあるごとに新し物に取り替えていました。

 

4.形を整えるために、はみ出したカードは、その都度取り除きます。手作業の動きがとても早いので、いい写真を撮るためにお願いして手を止めてもらいました。

もくもくと作業をするモンドールを作る方たち。

 

5.まるで、寿司職人さんのようで、あっという間に青いケースにモンドールが、24個一杯になりました。そしてそのケースが山のように積み重なってきます。

モンドール、醤油をかけて食べたくなるほど、お豆腐に似ていました。

 

6.左の写真のように始めのモン・ドールの高さは、エピセアの樹皮よりも厚いのですが、ちょうど出荷時期のおいしくなったモン・ドールになると、ちょうどエピセアの厚みとほぼ同じになるのです。

今年(2005年秋)は、こうした大きなモン・ドールも輸入しようと思います。カット販売します。

 

7.こちらは、800gサイズのすこし大きいモンドールです。この場合には、輪ゴムでエピセアの樹皮を留めるのではなく、爪楊枝の様なものを使い固定しています。輪ゴムだと大きすぎて、外れ易いからだと思います。

ちょっと恥ずかがり屋のお兄さん。真面目そうな方でした。

 

8.全てのモン・ドールにエピセアを巻き終えたら、pHを機械で測定します。7が中性、それ以上はアルカリ性、それ以下は酸性です。今の目盛りは5.77なので弱酸性でちょうどいい数値とのことでした。

至るところに最新の科学機器が使われています。ローテクとハイテクの融合がいいと思います。

 

9.また、このチーズの作業室の室温は、21度ぐらいです。湿度もかなり高いと思います。

残念ながら、モンドールを塩水に漬けるところは見られませんでした。

 

10.先ほどの作業室の隣にあるのが、この部屋です。カタカナのコの字のような塩水のプールがありました。ここにモン・ドールを先ほどの青いトレーごとさぶんと沈め、ここで初めてモン・ドールに塩がつくことになります。これで後は熟成庫に入れて、ゆっくりと時間をかけて熟成させ、おいしいモン・ドールに仕上げていくのです。

            

モン・ドールチーズの製造工程3(モンドールにエピセアを巻き、塩水に漬けます編)