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2月のサルデーニャ島のオリーブ畑での農作業の様子(イタリア 2月2008)



カーリアリ県にあるドリアノーヴァにオリーブオイルの生産者を訪ねました。チーズマーケットで輸入しているドーリアというオリーブオイルの生産者です。1月から2月にかけては、この秋から冬にかけて収穫して搾ったオリーブオイルのデカンタージュがほぼ終わり、瓶詰めや缶詰めに出来る時期になります。フィルターを通さないオリーブオイルの製法は、澱が下に溜まるまでにとても時間がかかるやり方ですが、その風味は格別なものになります。

一通りオリーブオイルの貯蔵庫や出荷する部屋や事務所を見せていただいた後、彼らのオリーブ畑に案内してもらいました。下の写真がそのオリーブ畑です。如何ですか?私達北海道に住んでいる人間には、考えられない光景でした。2月というのにたんぽぽや白い小さな花が咲き乱れています。この日の最高気温は18度ほど。もうここは春なのです。

まさに花盛りの2月です。連日氷点下の札幌とは、3ヶ月は早く春が来ているようです。

畑の中を案内されながら、更に奥の方に向かうと遠くから「シュポン、ポポン」というような音が聞こえてきます。何だろうと歩いているとそれはどうも下の機械から出ている様でした。

2007年の10月のトスカーナの旅でも見たマシーンです。あの時は、電動熊手を付けてそれをエアー圧で動かしていました。

この機械からは、細くて青いホースが長く延びています。その先は、木の上にいる作業をしている男性の鋏に繋がっているようでした。そうです、この2月は、オリーブの枝や葉の剪定を行なっているのでした。

オリーブの木も収穫が終わると次のシーズンに向けて、伸び過ぎた枝葉を落とすのです。そして、また次の秋の収穫の時により良いオリーブを得るために、また収穫をし易いように枝の伸びを予想しながら木の形を揃えていくそうです。このエアー式の鋏だと太い枝でも力を掛けずに楽に切ることが出来るようです。「お陰で作業効率もぐんと上がったよ。」と社長さんが笑っていました。

私も早く剪定の技術を身に付けたいです。

以前の私なら、果実は収穫するまで何もしなくていい位に思っていましたが、昨年から大分県の梨農家の吉武さんやピオーネの奥城さん達のお話を聞いてからは、果樹は手が掛かることを知りました。本当に一年中やることが続くようです。オリーブもまた同じようにいろいろな作業があるようです。

自生しているアスパラガス。栽培されたものとは、一味違います。

オリーブ畑の中で時折、社長と娘のマニュエラさんが、オリーブの木の根元で何かを採っては束にして手に持っています。「それは何ですか?」と聞くと天然のアスパラガスだというのです。びっくりしました。アスパラって栽培しないと出来ないかと思っていた私には、一瞬信じられませんでした。細いけど確かにアスパラガスです。
 
それから私も注意して他のオリーブの木の根元を探しました。あります、あります。ほとんどの根元にアスパラガスが生えていました。2月には、外に出てこのように山菜採りのような感覚でアスパラガスを採って、それをパスタの具に使ってお料理を楽しむそうです。2月のサルデーニャ島への旅、ますますお勧めしたくなりました。


2月のサルデーニャ島のオリーブ畑での農作業の様子(イタリア 2月2008)