伝統的なリヴァロを作るチーズ工場 |
8月16日、チーズマーケットで取り扱い始めたリヴァロ(WA33)の工場にやってきました。現在ではほとんどの工場が、人手と手間と時間を掛けない方法で作っています。でもこの工場では、今も伝統的な製法でリヴァロを作り続けています。その分ここのリヴァロは、格段においしいリヴァロです。ここのリヴァロを知らずにずっとリヴァロってこの程度の味のチーズなのかと輸入しながら感じていました。でも、ここのリヴァロを知ってから、本当はこの味わいがリヴァロなのかも知れないと思い作り手に強い興味を抱きました。こんなにも手間と時間をかけてリヴァロを作る人とは一体どんな人何だろうかとずっと考えていました。これまでの経験から、美味しい食べ物があると、そこにはそれを支えるエネルギーに満ち溢れる人が必ずいることが分かりました。このリヴァロの人もきっとおいしいやぎのチーズを作るあのブーゴーさんに似たフランス人なのでは?と思いながら、今日のこの日をずっと楽しみに待っていました。 |
朝10時、ついにそのご本人とお会いすることが出来ました。上の写真の右がそのシュバリエさんです。こちらに近づいてくるだけで、体全体からとても強いエネルギーを感じました。挨拶の言葉を交わし、強く手を握ったら、その声はとても力強くはっきりとしていて、姿勢もとてもいいのです。シュバリエさんが出来ることは人に頼らず、全て自分でやるようです。工場では少人数でチーズを作っています。中でもとても忙しくいろいろな作業を行いますが、従業員の誰よりも社長であるシュバリエさんが、一番よく働いていることが良く分かりました。澄んだ目をした素晴らしい方でした。 |
さて、チーズの工場の話をします。上の写真が工場の全景です。ここでは、主にリヴァロやポンレヴェック、パヴェ・ドージュなどを作っています。毎日20戸の農家から生乳を届けてもらい、チーズを作っています。取材の後で全てのチーズを食べさせていただきましたが、本当にどれも美味しかったです。9月からはこの工場のポンレヴェックも輸入を始めたいと思いました。4種類全てのチーズを順番に輸入していきたいと思います。 |
では、一体何が伝統的な製法なのでしょうか? このあと日本に帰ってから、リヴァロの作り方を特集でお伝えしようと思いますが、今日はその中の一つをご紹介します。それはリヴァロの側面に巻きつける草のことです。今日では、草ではなくただの赤い紙テープを機械で巻きつけているリヴァロの工場がほとんどです。しかし、シュバリエさんの工場では、上の写真のように一つ一つ職人さんが手で本物の草を巻いています。左に見えるのが干して乾燥させた後で、水に戻して柔らかくした草です。この草も地元の池で生えているものを自分達で刈り取り、乾燥させて用意しています。この他にも細部にわたり、伝統的な製法でリヴァロを作っています。私たちは、こういう人が作ったチーズを食べていきたいですし、このようなチーズを中心に輸入を続けて行きたいと思います。 |
伝統的なリヴァロを作るチーズ工場。 |