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メルマガ21号


--------------Cheesemarket.jp mail news 2004 vol.21-------------

☆☆☆札幌チーズマーケットからのメールマガジン☆☆☆
http://www.cheesemarket.jp

-------------目次-------------
1)イタリア訪問(11月)レポート1
「タレッジョ・チーズは、こうして作られる。」

2)次回のランジス市場の入荷は?

----------------------------2004/01/12--------------------------

こんにちは。1月になり本格的に寒くなってきました。チーズマーケット
のスタッフは、たくさんの注文を前に、みな元気にありがたく働かせて頂
いております。

出そう出そうと思いながら、「寝るか働くかの12月。」だったので、全く
手をつけられませんでした。昨日やっとデジタルカメラの中身を見ること
が出来たので、ようやく発刊となりました。今回から数回に渡って現地の
報告をしたいと思います。

さて、今回は次の2本です。

1)イタリア訪問(11月)レポート1
「タレッジョ・チーズは、こうして作られる。」
2)次回のランジス市場の入荷は?

写真もたくさんありますので、ゆっくりとご覧下さい。


------------------1)「タレッジョ・チーズは、こうして作られる。」------------

11月のイタリアは、日中13−15度ぐらいあり、出かけるにもいい気
候でした。
今回は、ゴルゴンゾーラとタレッジョ、それにマスカルポーネなどお馴染
みのイタリアチーズの製造工場(Cademartori社)へ行きました。前の日の
夜9時ごろに長旅の末、やっとこミラノ駅の近くのホテルに着き、ぐっす
りと眠りました。翌朝、8時ごろに中央駅から普通列車に乗り、ミラノ
の南西方向にあるチェルトーザ・ディ・パヴィア駅へ向かいました。

30分ぐらいでその待ち合わせの駅に着いたのですが、ドアを開けホーム
に下りようとすると、ホームが無いんです。
図1 あっ、時間が無いというこ
とでスーツケースを持って飛び降り、砂利の上を20mぐらいよたよた歩き
ました。

1.反省;”長い列車ではなるべく真ん中の方の客車に乗っておこう。”

(私達がいた客車は後ろの方だったので、短いホームの駅では降りられな
かったようです。)

砂利道から見る列車はとても高く大きく見えました。横を通り過ぎるまで、
怖くて前に進めないくらい迫力がありました。列車が過ぎ、ふと脇を見る
と何だか見慣れたイタリアチーズのメーカーの工場がありました。
図2 おー、これはガルバーニ社ではないか?

さて、迎えにきて頂いた方とご挨拶して、早速工場へ行きました。

全景は、こんな感じです。→ 図3
手前の角が入り口です。その右側の建物は、管理棟。そしてかまぼこ型の
屋根が奥のほうに延びているのが、製造工場です。赤い囲みの部分には、
ミルクタンク車が駐車します。そして大きなホースを車につなぎ、工場の
中にミルクを搬入します。駐車した場所は、大きな体重計の様になってい
て、初めの車の重さとミルクを出し切った後の重さから、どれだけのミル
クを納品したかが分かるようになっています。

図4
図5
図6
図7
すぐにそのミルクの成分を分析して、もしも基準に合わないようですと、納品を
拒否するそうです。こうしたミルクは、DOPで認められている地域内で生産さ
れたものである事はもちろんです。そして、75度ぐらいで殺菌するそうです。

さて、いよいよチーズ作りです。パイプを通してミルクが楕円形のステン
レスタンクに入れられます。→ 図8

ここでレンネットとスターターが加えられ、凝固するのを待ちます。→ 図9
攪拌棒が降りてきて、回りだしホエーとカードに分離します。一通り攪拌が終わ
ると黄色い太いホースでタレッジョの四角い型にそのまま注がれます。ホエーは、
この後で抜き取られ、別のタンクに集められ、リコッタを作る原料にします。

図10
図11
図12
図13

あたり一面にヨーグルトのような若い乳酸醗酵の香りが立ちます。また、湿度は
かなり高いなぁーと感じました。皆さん、半袖で作業されています。
図14

次の2枚の写真は、タレッジョに使う粗塩です。
図15   → 図16 シチリア島の塩を使ってい
るそうです。他にもう1種類使うそうです。

また、タレッジョにはその表面に独特の文様があります。それは、○の中
にT(ティー)の字があるマークと縦の縞々の文様です。どうしてできる
かといいますと、次の写真のようにチーズの下に敷いてあるからです。

図16
図17
Cademartori社のタレッジョの番号は、61番。

図18
はい、しっかりと表面に刻印されています。

そして木の箱に入れられます。そして次の場所へ移動するのです。熟成さ
せるためにタレッジョは、必ず木の箱に入れます。プラスチックなどの箱
ではうまくいかないそうです。
図19

いつ作られたかのタグをつけ、積み重ねられます。
図20

そして、その日の午後、車で熟成させるための工場へ行きました。今度の
場所は、ミラノの北東の小さな町、Introbioです。(コモ湖の近くで、ミラノを
はさんでちょうど朝行った工場と対角線上の方向の山側です。)
山あいの地域なので平地がとても少ないです。本来は、この地域で全て
生産から熟成までやっていたようですが、細長く狭い谷あいの平地では、
たくさんの牛を育てることが出来ません。そこで、まずはロンバルディア平
原の広大な土地で牛を飼い、ミルクを生産し、そこでタレッジョの原型を作
るまでをやって、このように最終的には、Introbioで仕上げているそうです。

なので細い山道を各メーカーのチーズを積んだ大きなトラックが一日に何
台も通ります。途中こうした車を一時退避させる場所もありました。しかし
スピードを出す車が多く、ギリギリをすれ違ったりして、とても危険な道路
でした。まるで、「モナコグランプリ」のような道中でした。


さて、この工場の自慢は、何といっても天然の空気が熟成庫に吹き込むこ
とです。つまりこの工場の建物の片側は崖に面して作られていて、その面
にはコンクリートの壁がなく、崖の岩壁があるのです。

図21 (写真の奥のほうが崖の岩
です。地下1階と1階です。)つまり、エアコンなどの人工的な湿度や温
度管理を一切しないで、自然に任せているということなんだと思います。
ここに置かれているタレッジョの木箱は、毎日その位置を変えたり、何日
かおきに塩水でウオッシュさせています。

図22
図23
図24

どうですか?あんなに真っ白だったタレッジョが、黄ばんできましたね。
ゴム手袋をして、ブラシで表面を磨いています。それも手際がいいんです。
作業台に向かった2人一組が、ひっくり返したり、箱に戻して次の箱を置
いたりと忙しそう。

力仕事のためか20代の若い男性が多いようです。この作業場は、先ほど
の熟成庫の2階にあります。崖と反対側は平地と川が見えるように大きな
広い窓があり、とても明るく開放的できれいな作業場です。経営者による
と、やはり単純な作業が続くので、仕事の環境を出来るだけ整えているの
だそうです。

こうした若者達の苦労のお陰でおいしいタレッジョが食べられるんだと感謝
して、その場を後にしました。
図25

今回は昼食を兼ねて、タレッジョやゴルゴンゾーラ、マスカルポーネなど
を使った食べ方などのプレゼンテーションを受けました。
図26

図27
図28

図29
図30
図31 この3枚は、マスカルポ
ーネなどのクリームチーズをアレンジして食べる段取りを示しています。

図32 それを生ハムでつつんだ様子。

やはり、イタリア人もチーズには、オリーブオイルや胡椒を加えたりして
まぜて、生ハムで巻いて食べたり、そのままパンにぬったり、はさんだり
して美味しく食べるんだなぁと思いました。写真を撮り、話しもしなけれ
ばならず、その合間に食べるので、とても忙しいです。でも、こうしてワ
インとパンとチーズがあれば、とても贅沢な食事だと再認識しました。

あ、ワインですが、今回は微発砲のものを頂きました。イタリアでこうし
た少し発泡性があるものには、”FRIZZANTE”とラベルに書いてあります。
これが結構いいんです。低アルコールの物が多く、軽い飲み口で昼食には
ちょうどいいと思いました。でもコルクはシャンパンのような口ではなく、普
通のコルクなので一見すると見分けがつかないので、この表示で確認してか
  ら、お求め下さい。
(ちなみにミネラルウォーターにも、”FRIZZANTE”と書いてあれば炭酸ガ
スのものになります。)

タレッジョは、イタリア人にとってフランスのカマンベールのようなチー
ズなので、丸ごと全部食べる人もいます。しかし、もちろん人それぞれの
嗜好なので、オレンジ色の外皮を外して食べる方もいらっしゃいます。



--------------2)次回のランジス市場の入荷は?--------------------

1月26日にも、パリランジス市場から、またおいしいチーズが届きます。
ぜひ、ご覧下さい。
ランジス市場 (今現在の表示は、1月8日着分です。)更新は、
1月24日の昼12時を予定しております。

もうすぐ春がきます。そろそろヤギのフレッシュなものが出回りはじめま
す。HP上でずっと、「入荷待ち」のサインだったヤギやひつじのチーズ
が、その頃に、「3個以上」になっていると思います。

どうぞ、ご期待ください。

いつもこうしておいしいチーズを輸入でき、仕入れに出かけられるのも、
ごひいきに注文して下さる皆様方のお陰であるといつも感謝しております。
そういった方々の事を目に浮かべながら市場に注文を出す事もしばしばです。

これからも知り得た事は、どんどんと広く伝えて参りたいと思います。

この仕事は、本当に楽しいです。やりがいがあります。知らない事が少し
ずつ分かってきて、自分の中で別のものと繋がっていき、新しい発見があ
るのがとてもいいです。

発展途上の店だからこそ、硬直化せず変化があって面白い店なんだと思い
ます。店頭売りも週2日ながら、お客様が増えておりうれしい限りです。
口コミの力は、すごいものだと感謝しております。


いろいろな事に挑戦していきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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どうぞよろしくお願いいたします。

それでは。

店主敬白
山本 知史

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