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ケーパーの実と植物の写真(何でも生っているトスカーナ州は豊かな台地。)



5月10日(2006年)、CIBUS2006を終えて、トスカーナ州のシエナに来ました。アグリツーリズモ(農家の宿)のご夫婦にケーパーが生えているところを見せてもらいました。そのケーパーの写真を見ながら、その時の様子をまとめました。ところで、ケイパーってどん食べ物なの?と疑問に思う方には、スモークサーモンにパラパラとかけてあるあの小さい粒といえばお分かりいただけると思います。ケーパーはガラス瓶詰で塩漬けや酢漬けにしたものが売られています。私も意識して食べた事がありましたが、実際のケーパーの植物全体を見るのは初めてでしたので、いい機会となりました。

アグリーツーリズモのブーカ。夜は静かでした。

これが私達が宿泊したアグリーツーリズモです。霧がすっかり晴れて、朝日が顔を出しました。これで朝9時ぐらいです。この建物の裏側の地面と塀にケーパーが群生していました。下の写真がその塀です。とても古そうでした。



石の塀に張り付くケーパー。

ケーパーはやや肉厚の葉を持ち、その外周は赤みを帯びていたるものがあったり、全体が赤みを帯びている葉もあります。また、茎も赤っぽいので全体的にバジルの様な緑々した感じではありませんので、辺りの植物と明らかに色の違いで見分けがつきました。


赤みを帯びた葉と茎。

下の写真はケーパーのつぼみです。これを摘み取って塩を振って3ヶ月ほど漬けると食べられるとのことです。


ケーパーのつぼみ。

美奈子店長に持ってもらいました。葉や茎などは食べないそうです。あくまで花が咲く前のつぼみを食すのだそうです。これから花を咲かせる前のつぼみ・・・、そう聞いただけでいろいろな栄養がたくさんありそうだと感じます。食べると種の様なぷりぷりとしたものが口の中ではじけて、独特の香りがしてさっぱりとした風味があります。私は茗荷が好きですが、ケーパーも同類の薬味の様な気がします。ケーパーは、肉や魚の臭い消しにも最適な薬味だと思います。


いいケーパーの瓶詰があったら輸入しようと思います。



(感想)タプナード(tapenade)というフランスのソースがあります。オリーブの実にケーパーとアンチョビを細かく刻んで混ぜたものに、すりおろしたニンニクにレモン汁、オリーブオイルなどを加えたものです。パンにぬったり魚料理に添えたりして使います。このタプナード作りに無くてはならないのがケーパーなのです。以前教員をしていた頃の私はほとんど自分の時間が無くて、自分で食事を作ることなんて考えられませんでした。ただお金を出して飲食店に食べに行っていました。それはそれなりに美味しくて満足はしていましたが、今こうして自営業になって自由な時間が持てるようになると、楽しみ方の幅が広くなった気がします。まず、食べる事や食べ物に一層の興味が沸きました。時間があるので工夫してよりおいしいものを食べようと思うようになりました。そして、海外の食品見本市に出かけたり、こうして作物が生る畑を見る機会が増えてくると、自分でいろいろな食材を知る事が出来て面白いです。新しく知った食材を使って自分で料理をするようにもなりました。そうするとレストランで食べても、以前よりじっくりと味わって美味しく食べられるようになった気がします。空腹を満たすために食べるのではなく、食べながらこのお料理にはどんな材料が使われているかに頭が働くようになったのです。想像して何が入っているかを考えるのも楽しいです。考えた後でお店の人に聞いて答え合わせをするのも楽しいものです。あとで自分で作ってみようという意欲も沸いてきます。今回のケーパーは隠し味に使われることが多いので、目に見えないことが多いですが、どうしてこのお皿はこんな香りがするんだろうと思うと、ケーパーだったことが後から分かりました。このようにいろいろな食材を知ると食べる事や作る事がより楽しくなると思います。それにしても、実際に畑を見るのは楽しいですね。苺狩りとさくらんぼ狩りの季節が待ち遠しいです。

ケーパーの実と植物の写真(何でも生っているトスカーナ州は豊かな台地。)