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モン・ドールAOCの製造工程1(ミルクを固めてカードを作ります編)



2月に訪問したモンドールの工場の報告として、モンドールAOCの作り方を5回にわたって解説して参ります。
楽しんで頂ければ、うれしいです。また、日本でもモンドールのようなチーズが作られることを願っております。



 

1.これがモンドールを作るステンレス製のタンクです。1,400リットルのミルクが入るそうです。こうして使い終わると、流水できれいに洗浄して後に乾燥させます。タンクの向こう側の底に見える楕円形は、後ほどカード(ミルクが固まったもの)が出てくる出口です。

 

2.ここのチーズ職人の親方、ムッシュ・フランソワーさん。この道30年のベテランです。これまでにモンドールとコンテを特に長く作っておられたようです。とても穏やかで気さくな方です。

 

3.このモンドールのチーズ工場に着いたときには、既にミルクが固まっていました。ここまでの作り方を簡単に説明しますと、タンクに生乳を入れて、乳酸菌を入れて40度に温めます。そして凝乳酵素(レンネット)入れて、15分ほどするとこのようにミルクが固まるそうです。ミルクは乳酸菌によって弱酸性になると酵素が活性化して固まりやすくなるようです。そして、しっかりと固まっているかどうかは、日本の塵取りのような道具ですくってみて、その様子から判断します。

 

4.次に、固まったミルクにピアノ線を一定の間隔で張った道具を使って、まずタンクの縦方向に写真の手前から奥の方に移動して固まったミルクを切っていきます。これは一度限り、一方向限りの作業です。(行ったり来たりしません。)

 

5.次に別の幅が狭い道具を使い、今度はタンクの横方向から一度限りで順に固まったミルクを切っていきます。つまり、固まったミルクを切る時のその切る大きさがチーズのAOCの規定で決まっているのだと思います。

 

6.ゆっくりと確実に作業を行います。もう少しで全ての固まったミルクを切り終えます。

 

7.次に切った固まりをスコップのような道具を使い、やさしくゆっくりと ほぐれるようにばらばらに分けていきます。乱暴に力を入れてさっさとやるのはいけません。

 

8.この作業をすることで、カードから水分が抜けていきます。そうすると徐々に液体部分が黄色味を帯びてきました。

 

9.ホエーが黄色くなり、ここで作業もほぼ終わりです。手にあるのは、モンドールの元になる「ミルクを固め、その水分を少し取り除いた」カードというものです。大きさ、色、形、そして柔らかさといったら、正にマシュマロのようです。次回は、こうして出来たカードをモンドールの型に入れていきます。

            

モン・ドールAOCの製造工程1(ミルクを固めてカードを作ります編)