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サルデーニャ島でペコリノ・ロマーノを作る工場にやってきました。(Villanova Monteleone)



2月20日(水)(2008)の朝9時、Villanova Monteleone 町にある協同組合のチーズ工場にやってきました。チーズマーケットでは、この工場からペコリノロマーノやフィオーレサルドなどの羊乳のハードチーズを輸入しています。

工場に入るとちょうどミルクを固め終わった状態のカードをペコリノロマーノの型枠に入れるところでした。挨拶をすると、皆さんは私達に微笑んでくれました。体中から気持ちの余裕が溢れている感じがしてきます。ペコリノロマーノは、1個で30kg以上ありますが、この時点では水分がより多く含まれているので、40kg以上あると思いますが、3人とも軽々とカードを持ち上げてチーズの型枠に入れています。

40kg近くあるチーズを軽々と持ち上げる職人さん。元オリゾンテの料理長の原田さんに似たいい顔をした人もいらっしゃいました。

下の写真がペコリノロマーノの型枠の様子です。まだ温かくて、表面から湯気が出ていました。この後で、湿度100%の生暖かい部屋にチーズを入れて乳酸菌発酵をさせます。(ペコリノロマーノの詳しい作り方は、後日別の機会に紹介したいと思います。)

これがペコリノロマノの型枠です。

さて、別の部屋に連れて行ってもらいました。下の写真の部屋では、ペコリノロマーノの表面に塩を付ける作業をしていました。これでもかと言うくらい粒粒の塩をゴム手袋でチーズの表面に押し付けるようにしています。チーズを作る上で必要なこうした塩をチーズに浸みこませる工程(ソルティング)のやり方には、2通りあります。一つは今回のように塩の粒そのものをチーズに付けるやり方。そしてもう一つは、パルミジャーノレッジャーノの様に濃い塩水にチーズを数時間から数日間漬け込むやり方です。この部屋では、いい香りがしました。チーズが発酵して有機酸の芳香族の香りといいますか、花のような香りです。

この部屋では、チーズに塩をまぶす工程が行なわれていました。

こうしていろいろな作業工程の部屋を順番に見せて頂いた後、事務所に戻ってコーヒーを頂きました。案内してくれたジュゼッペさんは、あのアグリツーリズモのピーノさんの友達だというのです。驚きました。また、こうして20歳代の人と60歳代の人が友達だと言える間柄になれるイタリアっていいなぁと思いました。

左から美奈子店長とバーバラさん。右端が案内をしてくれたジュゼッペさん。

最後にペコリノロマーノについての話を一つご紹介します。イタリアでペコリノロマーノが作られているのは、実はここサルデーニャ島が最も多いのです。その割合は、何と95%。「ロマーノと言う名が付いているチーズなのに、どうしてサルディーニャ島で作られているの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。私達もそう思いました。でも、こういうことなんです。ロマーノは、今のローマ市やその周辺地域を指す意味ではなくて、はるか昔に栄えたあのローマ帝国の”ローマの”を意味しているのです。だから、ローマ帝国の一部だったサルデーニャ島でこのチーズが作られていても当たり前で、ローマ帝国のチーズという意味では、何の不思議もないのです。残りの生産量5%は、今のローマ市の周辺で作られているとのことでした。そして、そこではサルデーニャ島出身の人がチーズ作りに携わっていることも多いようです。この工場は、島の北にあります。私達は、島の南にあるカーリアリから車で4日間かけて北上して来ました。ここに来るまでにいろいろな町の郊外でたくさんの羊の放牧を見ましたが、こうした羊のミルクからとても多くのペコリノロマーノが作られているんだと実感することが出来ました。2月のサルデーニャ島の旅は、気候的にもお勧めです。


サルデーニャ島でペコリノ・ロマーノを作る工場にやってきました。(Villanova Monteleone)