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見知らぬ村でオリーブオイルの生産者や輸出者をどう探せばいいのか?(続編)(サルデーニャ島 2月2008)



2月23(土)の朝は、オリーブオイルを搾る工場(フラントイオといいます。)に行って、この地域周辺でオリーブオイルを日本に輸出してくれそうな人や会社を紹介してもらおうと思い車に乗りました。でも、今日は土曜日だからやっていないかも・・・・・。その予想は見事に当たりました。フラントイオの重そうな鉄製の門は、閉ざされていました。呼び鈴も無く、声を出して呼びましたが、工場だけで誰も住んでいない様子でした。昨日の下見のときは開いていたので後悔しました。うーん、困った!「これから今日一日何をしようか?」と、美奈子店長の顔を見ました。

しかし、ここで引き下がる山本知史ではありません。と次の瞬間、このフラントイオの道を挟んだ向かいの本屋さんに突入しました。ひょっとしてこんなに小さな村ならば、このフラントイオのフランチェスコさんの事を知っているかも知れないと思ったのです。店に入ると若い男性がいました。さっそく私達の事を話して、フランチェスコさんの携帯電話の番号を知らないか尋ねました。この男性、ティッチアーノさんは、さっそく友達の何人かに電話を掛けて知っているかどうか聞いてくれました。待つことしばし・・・。結局分かりませんでした。でも、いきなり来た私達にこれほど親切にしてくれてありがたかったです。だから私達はお礼にと何冊かの本を買ってレジに行きました。すると、・・・。

シルバーナさんのオリーブ畑は、南向きのなだらかな斜面にありました。お家も高台にありほぼ360度のパノラマを楽しめます。

その時、店にティッチアーノさんのお母さんがやってきたのです。ティッチアーノさんが、お母さんに私たちの事を話すと、それなら私もオリーブオイルを作っているから、試しに飲んでみたら?と言って、また店を出て近くの実家にオリーブオイルを取りに行ってくれたのです。ちょうど今パン屋さんの帰りだからと、焼きたてのパンとペットボトルに入れたオリーブオイルを持って店の奥に通してくれました。回りの棚には、絵本や文房具がある中で、私達はオリーブオイルの味を確かめました。思わぬ展開に気持ちが付いていけないくらいです。でも、気を取り直して、真剣にオリーブオイルを食べました。うーん、これも美味しい。

本と雑誌と文房具を売る店の奥でさっそくオリーブオイルの味見をさせてくれました。

このオリーブオイルも昨日のオリーブオイル(ボッサーナBosanaという品種)と同じく、この地方特有の香りがしました。お母さんはシルバーナさんと言いますが、オリーブオイルを食べている美奈子店長の顔を見ながら、「おいしいでしょう。」と声を掛けています。そこで、シルバーナさんが、好きだったらうちに来てオリーブの畑を見てみるかい?と誘ってくれました。えー?良いんですか?と恐縮しながらも、シルバーナさんの軽四輪の後を車で追いかけました。5分ほど走ると小高い丘の様な畑に着きました。そこにはちょうどご主人が数人と一緒にオリーブの木の剪定をしていました。シルバーナさんはどうやら専業農家のようで、オリーブの他にみかんや桃なども作っているそうです。「せっかくだから、さっきとは別の品種のオリーブオイルもあるから、試していきなさい。」と勧められました。そして、台所に案内されました。

広くて使いやすそうな台所でした。お昼ごはんの準備を私達も楽しく手伝いました。カルチョフィーの皮むきは楽しかったです。

先ほど本屋さんで味見をしたのは、ピッツェカローガ(Pizze Carroga)でした。そして、今回は、トンダ・ディ・カーリアリ(Tonda di Cagliari)という品種です。台所に下の棚には、オリーブオイルがありました。日本で使っている灯油のポリタンクのような入れ物にたっぷりと入っています。農家の方は、ほとんど三食を家で食べるので、その消費量はとても多い様です。シルバーナさんの二つのオリーブオイルは、どちらも美味しかったので、後でメールで連絡して買おうと思いました。そろそろお昼にもなるし、迷惑になるといけないので、挨拶をして帰ろうと美奈子店長と話しました。すると先ほどのご主人が作業車で家に帰ってきました。「これから暖炉で肉を焼くから一緒に食べよう。」と誘ってくれたのです。

「えー、さっき会ったばかりの異国の人間にそんな嬉しいお誘いをして良いんですか?」とかなり恐縮しました。でも、日本人が思うほど、食事に誘うことに特別な緊張や張り切りやがんばりなどは無い様です。普段から肩に力が入っていない生き方と言うのでしょうか?我々日本人よりもかなり自然体で生活を楽しんでいるようです。お客さんが来るんだから、部屋を掃除して、花を飾り、食器を揃え、テーブルクロスを敷いて、よそ行きの格好をして・・・・。私もそうですが、こんな事は全く頭にすら浮かばない様です。だからこそ彼らの家では、ゆっくりとくつろげる気がしました。

みんな良い味出しているなぁと思わず笑みがこぼれます。こんな大人に私も成りたいです。

こうして、偶然に入った本屋さんから始まった出会いが、家に招かれて午後4時近くまで一緒にお昼ごはんを頂くことになるとは・・・・・、今朝ホテルを出るときには、予想すら出来ない素敵な一日となりました。お昼ごはんを早めに食べ終えた息子のティッチアーノさんは、一足先に出掛けました。友達と週末を過ごすそうです。ご主人と奥さんは、これから海辺の別荘に行くそうです。ヨットもあるから楽しいよ!と誘われましたが、さすがに明日には、日本に帰らなければならないのでお断りしました。でも、いつかまたこの家には来たいと思いました。日本の漫画が好きなようなので、何かあげたいと思いました。
 
シチリア島の人たちも愛に満ち溢れていたけれど、ここサルディーニャ島も人情が厚く素朴で素晴らしい味のある人が多い気がします。こういう仕事に就くことが出来た山本知史は、本当に幸せ者です。みなさん!本当にありがとうございます。お礼に私はいいオリーブオイルやチーズを嬉しい価格で紹介していきますね。


見知らぬ村でオリーブオイルの生産者や輸出者をどう探せばいいのか?(続編)(サルデーニャ島 2月2008)