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ケンプさんのマンステール・フェルミエの作り方 フランス・アルザス地方 2008年6月



6月17(火)の夕方、ケンプさんを訪ねました。ランジス市場の方を通して、16日か17日に訪問する予約をしていましたが、都合が悪いと聞いていました。しかし、せっかく日本からやってきたので、せめてどんな人なのか、どんな場所でチーズを作っているのかを見てみたいと思いました。チーズを作っている人は、午前中は何かと忙しい事が多いですが、夕方の搾乳前の時間なら割と手が空いていると思ったので、行ってみることにしました。場所は、マンステール町から南西方向にある山を登ったブライテンバッハ村です。山の奥の奥という感じの場所でした。
 
小雨交じりのあいにくの天気でした。店と家が一緒になったような建物を見ると留守のようです。帰ろうとした時、美奈子店長がその建物の奥にもう一つの建物があることに気が付きました。行ってみるとエンジンをかける音がしたので、誰かいると分かりました。それは、夫のダニエルさんでした。190cmもあろうかという大きな人で優しいそうな大きな瞳をしていました。

ケンプさんの農場。次の日は快晴となりました。ここで標高が900m近くあり、山の奥といった感じの場所でした。

明日か明後日にチーズを作る様子を見せてもらいたいとお願いすると、明日はマンステールを作るから来ても良いよと答えてくれました。そして、翌18(水)の朝8時に再びケンプさんを訪ねました。8時に着くと奥さんのアンヌさんが、銅釜に入った牛乳にレンネットを入れた後の様で、牛乳がプリンのように固まっていました。下の写真のようにそれをピアノ線が張られた道具で切るのを見せてくれました。

搾乳できる牛は、20頭ほど。これだけの量で少しずつマンステールを作っています。

工房の中は、とても暑く25度ぐらいありました。カードを切った後、ホエーをすくいだしました。その後、カードを小さな白いバケツですくって、マンステールの型枠に入れていきました。型枠に入れるのは、1回でした。カードは自分の重みでどんどんと中のホエーを出していき、小さく固まっていきます。すると今度は、裏返しをするのです。

チーズ作りの様子は、積極的に公開しているようで、中に入らなくても窓から様子を見ることもできます。

「ミナコ、裏返してみない?」とアンヌさんが勧めてくれたので、とても嬉しくなりました。手をもう一度しっかりと洗って、挑戦しました。絹ごし豆腐の様に崩れそうなほど柔らかいです。下の写真にあるように既に色も黄色くなっていました。

ブーゴーさんの所以来、久しぶりの体験でした。

こうして、チーズを型枠に入れ終わるのに約1時間半かかりました。その後に日本から持ってきたおみやげとチーズマーケットの写真を見せて、お話ししました。ケンプさんのところでは、朝食を出すサービスもしているそうで、 夏には近くでキャンプを楽しんでいる人が多く訪れるそうです。また、直売店には昔ながらのマンステール作りの様子を再現したコーナーもあり、そこでアンヌさんが実演して観光客や学校の生徒さんに見せているそうです。お二人とも仲がよく、とても素晴らしい方でした。マンステール・フェルミエの詳細な作り方は、別の機会にお伝えしようと思います。


ケンプさんのマンステール・フェルミエの作り方 フランス・アルザス地方 2008年6月