| TOP |  お買い物方法 |  6月(2008)のフランス・アルザス(Alsace)のマンステールなどのチーズ旅日記 |

マンステール・フェルミエを作る農家で見たミルクから型枠に入れる工程。フランス・アルザス地方 2008年6月



6月17(火)の朝、昨日行った農家(マリーセシルさん)を再び訪ねました。今日は、マンステール・フェルミエをミルクから作る過程を見せてもらうことになっています。
 
今日は、朝から霧が深く雨も降っています。気温も10度前後でとても寒いです。朝9:15からチーズを作るということで、時間前に車で着くようにホテルを出ました。
 
工房に着くと釜には、もう牛乳が固まっていました。それ(カード)を切って中のホエーを出します。カードをマンステールの型枠に入れる前にある程度の量のホエーを釜から取り出します。下の写真のようにざるの中に真空ポンプのホースを入れます。スイッチを入れるとホースを通して黄色いホエーがどんどん吸い込まれていきました。でもカードはざるのお陰で吸い込まれません。^^)

チーズ作りの体験で学生さんがこの工房にも来ていました。

ある程度のホエーが抜けると、今度は青い洗面器のような道具を使ってカードをマンステールの型枠に注ぎ入れました。マンステール・フェルミエには大小2つの大きさがありますが、下の写真は小さい方(約250g)のマンステール・フェルミエです。上にはみ出しているカードは、手でそれぞれの型枠の中に入れます。注ぎ入れる回数は、1回でした。(以前ノルマンディ地方に行った時に見たカマンベール・ド・ノルマンディというチーズの場合は、お玉で5回に分けてカードを型枠に注ぎ入れるという決まりがありました。)

コンテなどの重量のあるチーズと違い、マンステールのような小さなチーズは女性向きのチーズだと思いました。作業の細かさが求められます。

しばらくして、型枠の中のカードからホエーが抜けてくると奥さんがステンレスの板を上に載せて、一度に20個のマンステールを裏返しました。これはとても力が要る作業だと思いました。

マリーセシルさんは、力持ちでもあり頼もしい方でした。

次に透明な板を載せました。これは後で載せるカバーからゴミがチーズに落ちないようにするためです。また、保温の意味もあると思います。この工房内の温度は、25度ほどあってかなり蒸し暑いです。でも、これが乳酸菌の活動には良いようです。

乳酸菌発酵に必要な温度を保つように工夫していました。

仕上げに奥さんが、先ほどの透明な板の上に厚手のビニールのシートを載せました。これで明日の朝まで寝かせるそうです。こうすることで、乳酸菌が活発に働いてチーズの発酵が進むのです。

10時半頃には、すべての作業が終わりました。

この段階でも既にマンステールの淡い黄色い色が出ているように見えました。明日の朝にマンステールの表面に粗塩を振りかけて、サラージュを行います。サラージュは、この1度限りだそうです。こうしてこれから約2週間の間に何度か水で表面を洗っていくことで、マンステール・フェルミエが出来上がるのです。


マンステール・フェルミエを作る農家で見たミルクから型枠に入れる工程。フランス・アルザス地方 2008年6月