ピサの斜塔に登りました。(イタリア・ピサ市 2007年10月) |
10月20日(土)(2007)の朝、11時40分から登る約30人のグループ枠で、ピサの斜塔に上がりました。日本を出る前にインターネットで日時の予約をしました。(料金もクレジットカードで支払えます。)当日に窓口で申し込むことも出来ますが、枠が一杯だと登れないので、予約するのが確実です。窓口の人に予約の控えを渡すと、すぐに発券してくれました。登るまでに30分ほど時間があったので、斜塔をいろいろな角度から見ることにしました。ピサの斜塔は、南側に傾いているので、南側や反対の北側から見ると真っ直ぐに立っている様に見えます。でも、東西の方向から見ると驚くほどに傾いているのが見えて、本当にこんな塔に登れるのかなぁと感じるほどでした。 |
登る5分前位に、塔の隣の建物にあるロッカーに手荷物を預けることになっています。塔にはエレベーターは無いので、塔の中にある狭い石造りのらせん階段をひたすら自力で登ります。階段は、上りの人と下りの人がすれ違うことが出来ないほど幅のないので、手荷物などで両手がふさがっていると、体が支えられなかったりして歩くのが難しくなるからだと思いました。 |
さて、この階段を回りながら登っていると、階段が南側にさしかかる時ほど、より塔が傾いていることが分かります。その時に体が自然と外側の壁に吸い寄せられるように傾いてしまい、体をまっすぐに保つことができないからです。(逆に北側の階段では、体が内側(南側)の壁に吸い付けられてしまいます。)その為に南側にある階段の床は、傾いている方ばかりが磨り減ってしまい、その部分が深く凹んでいるのです。如何にそこばかりに人々の足が踏まれてきたのかと思います。凹んでいるのは、今までにもう何百万人もの人がこの階段を通ったという証なんですね。この様な状況で階段を上がっていると次第に平衡感覚が狂ってきて、何だか酔ったような感覚になってきます。 |
4階ぐらいになったところで、警備の方が登って来た私達が上がるのを制止しました。どうしたんだろう?と様子を見ていると、まだ最上階に私達よりも先に登った人達が残っていたので、彼らをまずは下ろしてから、私達が登らさる様です。つまり、危険防止のために最上階に居られる人数を制限していたのでした。 |
こうし感覚が狂いながらも、とうとう最上階に辿り着きました。上の写真のように最上階は、リングドーナツのような細い通路になっていて、両脇には隙間の広い柵があるだけでした。かなり怖いです。通路の外側も内側もどちらにも落ちそうな感じがします。そして、今日は風が強くて吹き飛ばされそうなので、ますます体が竦みました。世界中から観光客が来ているようですが、高い所が苦手な人は、言葉が通じなくても顔つきや行動ですぐに分かるので、その怖がっている姿が可笑しくて、見ている人たちはにっこりと笑ったり励ましの声を掛けていました。通路の内側を覗くと、円形のぱっと見た感じ畳50畳ほどの空間が見えました。そして、私達が立つ通路のちょうど真下には、360度のどの方向にも等間隔に並ぶ計7つの鐘が取り付けられています。(後で見たガイドブックによるとそれらは全て音階が違う鐘のようです。) |
美奈子店長は、せっかく最上階まで登りましたが、立ち上がることが出来ない様子です。もう景色をゆっくりと楽しむ気にはなれない様子で、腰を低くしながら歩いて、下り階段の方に行ってしまいました。私は、ぐるっと遠くに見える山並みなどを写真に収めました。遮る物がない景色を十分に楽しむことが出来ました。それでも突風で体が飛ばされそうな感じがしたので、数分で下りました。下りる時も上りと同じように、らせん階段が南側に来ると体が大きく傾くのを感じました。 |
ようやく1階に着くとほっとしました。そして、もう一度ピサの斜塔の回りを歩いて見るとやっぱり随分と傾いていることが良く分かりました。近くにある普通に立っている建物と比べると、塔の傾き具合がよく分かり面白いです。いろいろな角度から斜塔を見ていると、写真を何枚も撮りたくなる気持ちが湧いて来ます。やっぱりただTVで見るのと、こうして出かけて実物を見たり触れたりするのとでは全然違います。イタリアは世界遺産の数が世界一多いそうなので、時間がある時には、こうしてまた素晴らしい物を見に行きたいと思いました。明日は、ピサの近郊にある小さな村で開かれる栗祭りに行って、栗関連の食品を作っている生産者を探そうと思います。 |
ピサの斜塔に登りました。(イタリア・ピサ市 2007年10月) |