チーズマーケットのチーズの輸入方法は、ランジス市場での調査から始まります。 |
6月14日(木)(2007)の朝、ランジス市場に行きました。取引先の運送会社の方が、オルリー空港に近いホテルまで車で迎えに来てくれました。朝9時半、天気もまずまずです。しかし、これから冷蔵庫に入るので、ズボンは2枚、上は5枚着てインスタントカイロも腰に当てています。これで風邪を引かない準備が整いました。今回は、チーズマーケットの輸入方法で、最初に私達がやる事についてお話したいと思います。 |
まず、いつも良いチーズを選んで送ってくれているマイケルさんとスティーヴさんに会いに行き挨拶をします。今回のお土産はチーズマーケットで輸入したオーガニックのアーモンドとサッポロビールのクラシックです。毎回、何にしようかと考えるのも楽しいです。 |
さて、まず最初に見るチーズは、ブーゴーさんのやぎのチーズがあるコーナーです。季節ごとに仕入れたチーズの種類が変わっているので、今回はどんな素敵なチーズがあるのか?とワクワクしてきます。チーズごとに美奈子店長がラベルの内容をメモします。その間に私が写真を撮ります。やぎのチーズのラベルには、どんな原材料を使っているかは表示されていません。これは隠しているのではなくて、製造工程や原材料がほとんどどこの生産者も同じであるので、あえて表示していないようです。長年この仕事を通してラベルに表示されているチーズとそうでないチーズがあることが段々と分かってきました。今回の訪問の成果で新しいチーズを仕入れましたので、6月25日からネットで販売をしたいと思います。 |
このようにして、順番にいろいろなチーズを見て歩きます。途中、体が冷えてくるので外に出て休憩をしました。そして、また別のコーナーに移ります。次に目が留まったのが下の写真のオランダ産のハードチーズです。見るからに長い熟成期間を経たような飴色をしたそのチーズは、チーズマーケットで輸入してるライプナーVSOPに似ていました。これも食べてみたいと思いましたので、早速このチーズについて自分達で調べます。 |
それは、まず表のラベルや裏に貼ってあるより詳細なレベルを見ることです。チーズ名、原材料、添加物、重量、製造者名、製造者番号(CEE)、住所、消費期限などについて調べます。このチーズの場合、着色料と保存料が使われています。しかし、このうちの着色料は、オールドミモレットでも使われている植物の種を由来にしたアナトーというオレンジ色なので問題はないと判断しました。あとは、日本で使用が禁止されているものが入っていないかどうかも注意して調べます。 |
また、切り口があれば、それもよく観察します。色や結晶の有無、その大きさ、裂け目、凹凸などです。こうした断面の様子を見ることで、どのような味なのか、どういう状態のチーズなのかが大体分かります。また、可能であれば、小さな穴をあけてもらい試食をする事もありますが、私達はまずそこで食べることはありません。研究用に興味のあるものは、一個で買っているからです。 |
こうしていろいろなチーズを見て回り、あっという間に12時近くになりました。最後に担当者の人に自分達が知りたいチーズの名前を知らせて、そのチーズのコード番号を確認します。このコードが分かると次回からメールなどで簡単に目的のチーズを注文することが出来るからです。 |
こうした作業は、自分達だけでやらなくてはなりません。ランジス市場のチーズ担当者が私達にずっと付きっ切りで説明してくれる訳ではないからです。欲しいものを自分達の目と足を使って無数にあるチーズの中から、自分達が心から食べたいと思うものを探していくのです。そうした事が自分達の目利きする力を養う事に繋がっていると思っています。また、そうした過程を踏むことでチーズマーケットのお客さんにも自信を持ってお勧め出来ることになります。最後に値段のことですが、私達が輸入する時事前にこれはいくらなのか?と確かめることは余りありません。驚かれるかもしれませんが、私達のお客さんにはそういう人が多い気がします。値段よりもおいしいかどうかを求める人が多いのです。実際の納品書を見て思ったよりも高いチーズだった時でも、これじゃ高くてお客さんが買いにくいと判断すれば、原価に近い値で売ることもあります。でも、私はそれでいいと思っています。このチーズを輸入してその分私達も食べて勉強することが出来たるからです。重要なことはこうした地道な作業を継続して行い、私達が常に学びながらチーズの世界を広げていくことだと感じています。今回もいろいろな事が分かりました。近いうちにまたお知らせしたいと思います。 |
チーズマーケットのチーズの輸入方法は、ランジス市場での調査から始まります。 |