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シャラント・ポアトー(フランス)の農家セバスチャン・ジェさん(Sebastien GE)のやぎのチーズ工房へ



4月15日(2007)、今朝は、チーズマーケットで輸入しているやぎのチーズの素晴らしい作り手、セバスチャン・ジェさんを訪ねました。朝8時にVOUILLEの町を車で出発して、PARTHENAYの西20kmにある村に9時に着きました。もう既にシャラント・ポアトー行政区(POITOU−CHARENTES)に入っています。(これまでは、CENTERにいました。)12日にランジス市場でイヴさんが電話をして訪問が実現しました。セバスチャンは、シャビ・フェルミエとカブリを作っています。とても行きたかったのすが、パリからとても遠い位置だったので、今回は行けないと思っていましたが、BIETSさんが私達が行く時に都合が悪くなったので2日間が空き、それなら是非行って見たいとイヴさんにお願いしたのでした。

搾乳場とやぎの畜舎。写真の右側がチーズ工房と自宅になっています。

私達が自宅を訪ねると「待っていたんだよ。」という歓迎を受けました。この時期のフランスは学校も2週間ほど休みなので、子供達もいました。早速、朝の搾乳の様子を見せてくれました。私達が来る時間に合わせて、最後のグループだけは搾乳せずに待っていてくれたようです。やぎがスムーズに部屋に入るように、一旦私達は影に隠れました。するとゆっくりとやぎが40頭ほど搾乳場に入ってきました。

とても慣れているやぎさん。私達が近づくと鼻を動かして臭いをかいだり、シャツを噛んで引っ張ったりしてきます。

セバスチャンが中に入り、左右に並んだやぎの乳首に器具を取り付けて、搾乳が始まりました。驚いたことが2つありました。一つはやぎに与えるえさ箱が搾乳場にないことです。つまりやぎの頭を固定出来るゲージが無いのです。今まで見てきた農場でもブーゴーさんの農場でもえさがあることで、やぎが搾乳場に入りやすくしていたのですが、えさ無しでもセバスチャンの言う事を聞いて、ちゃんと搾乳場に入ってくるのです。ゲージに入れることでやぎの頭が固定され、人間が作業し易くなるのですが、セバスチャンのやぎは皆言う事を聞くから要らないようです。

やぎがえさを食べやすいようにと、ブラシで中央にあるえさをやぎの口元に並べる美奈子店長。楽しそうです。

2つ目は、やぎの年齢が幅広いということです。ミルクの出が悪くなると、新しい元気なやぎに交換する農場が一般的ですが、セバスチャンはミルクの量よりも質が大事だと考えています。年齢の幅も広いので、年上のやぎが、若いやぎにここでの生活のやり方を教えているかのようで、一つのやぎの社会が形成されているのかなぁと想像するほど、まとまっている気がしました。

小さな熟成庫。床や壁は地元の岩や石で出来ています。これにこの地方独特のカビなどが生きていてチーズの熟成を促しています。

さて、お待ちかねチーズを作る部屋に案内してもらいました。140頭分のミルクから作るチーズはとても量が少なくて、下の写真の熟成庫は、四畳半ほどでした。カブリとシャビがおいしそうに並んでいます。セバスチャンは、やぎのチーズの90%は、ナントとパリに出荷しているそうです。後の10%は、近くにあるPARTHENAY市のマルシェ行って自分で売っているそうです。彼もまたエネルギーに溢れる人で、やっぱり美味しい物を作ろうという意欲が、美味しさの原点なんだと思いました。その為には、大規模にせず自分の目の届く範囲で仕事をすることが大切なんだと思いました。17日は、再度訪問して、チーズを作っている様子を見てきたいと思います。


シャラント・ポアトー(フランス)の農家セバスチャン・ジェさん(Sebastien GE)のやぎのチーズ工房へ