フランス・ロワールの農家ミッシェル・ビエさん(Michel BIETS)のやぎのチーズ工房へ訪問 |
4月15日(2007)、今朝は、チーズマーケットで輸入しているやぎのチーズの素晴らしい作り手、ミッシェル・ビエさんを訪ねました。実は木曜日にランジス市場に行った時、ビエさんは私達が予定していた16日の月曜日は、都合が悪いので受け入れられないという知らせを受けていました。今日は日曜日なので、チーズは作っていなくても、きっと家には居るのではないかと思い、行くだけ行ってみました。美奈子店長と農道の細い道を地図を頼りに、車を走らせてやっと辿り着いたのは、下の写真のように薄い霧が漂う一面畑が広がる村、DIOUです。黄色い畑は、アブラナの花です。農道沿いには、桃やさくらんぼなどの白い花が咲いた木がとても美しいです。村の民家の生垣には鮮やかな紫色をした藤の花が満開で、ライラックやこぶしの花も咲き誇っています。札幌の6月といった感じがしました。 |
突然の私達の訪問にも関わらず、「少しの時間なら。」と快く受け入れてくれました。日本で多くの人たちがあなた達の素晴らしいチーズの事をもっと知りたがっているのです!という思いを込めてお願いしてみました。下の写真がミッシェルさんと奥さんのラファエルさん。1986年からやぎのチーズ作りを始めたそうで、もう20年以上続けていらっしゃるのです。 |
やぎの生活の様子も見せてもらいました。下の写真がその様子です。右側には若いやぎがいます。左側には現役バリバリのやぎがいます。どのやぎも毛のつやが良くて元気です。また、好奇心旺盛ですぐに何頭ものやぎが私達の方に近づいて来ます。写真を撮りながらえさの種類ややぎの品種、一年での出産時期などを聞いて、それを一つ一つ美奈子店長がメモを取りました。やぎは150頭ほどです。ブーゴーさんのやぎで280頭でしたから、とても少ない数のチーズしか出来ません。また、やぎはほとんどがアルピーノ種で、出産を春と秋と2回に分ける工夫をしているので、ミルクの生産量は一年を通してほぼ同じ量が見込めるようになったというお話もお聞きしました。こうして、一年を通していつでも同じ数の顧客の注文に応えられる様にしているそうです。「やぎのチーズは春が旬だ。」などと日本ではまことしやかに語られていますが、それは違います! フランスの国土は広く、気候風土も様々なので、答えが一つのような話にはならない事は、フランスを旅すれば良く分かります。南フランスのブーゴーさんの農場では、出産後にやぎを休ませるために、8月と9月は搾乳を全く行わないなど、農家の人の哲学で出産時期や搾乳期間もそれぞれなのです。 |
最後にチーズ工房を見せてもらいました。とても小さな部屋です。ブルゴーニュでスーマトランを作るジェンヌさんと同じ位で、6畳ほどで1人か2人が作業出来るほどでした。その他に熟成させる冷蔵庫が3畳ほどありました。工房の中で見つけたヴァランセが下の写真です。あまりの美しさに思わずシャッターを何枚も切りました。これまでにたくさんのヴァランセを見たり食べたりしていきましたが、ミッシェルさんのヴァランセは突出した出来だと思います。形が丸や四角ではないので、角が欠けないように余分に注意も必要で、とっても一つのチーズを作るにも大変なことだと思いました。 |
それにしてもこの農場から1万キロも離れた札幌まで無事に良い状態でミッシェルさんのやぎのチーズが届くことを考えますと、もうそれだけで感謝せずにはいられません。たったこれだけの量しか生産していないチーズを私達にも売ってくれるなんて。そして、今から3年ほど前にビエさんを紹介してくれたランジス市場のイヴさんの事が目に浮かびました。今回の訪問からも彼の目利きの素晴らしさを改めて実感しました。これからもあまり欲張らずに、一回に1ケース(12個)ずつ輸入して、日本各地に住んでいるお客さんにおいしいうちにお届けしたいと思います。 |
フランス・ロワールの農家ミッシェル・ビエさん(Michel BIETS)のやぎのチーズ工房へ訪問 |