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サントモール・ド・トゥーレーヌの町とやぎのチーズを作る農家



4月18日(2007)の朝9時にサントモール・ド・トゥーレーヌの町の西外れに農場を持つJEAN ANDRE さんのチーズ工房へ行きました。チーズマーケットで輸入しているチーズではありませんが、サントモール・ド・トゥーレーヌがどのように作られているのかを現場を自分の目で見て、確認したかったのです。時間通りに着くと奥さんのNADEGE が出迎えてくれました。「あーそうそう、オフィス・デ・ツーリズモから電話があった人ね。」と要領がすぐに分かったようで、やぎの畜舎とチーズ工房と熟成庫を見せてくれました。奥さんは30年もサントモール・ド・トゥーレーヌを作られているそうです。とてもカッコいい女性でした。

やぎのチーズを作っている農家の JEAN ANDRE さんご一家。

ジャンさんの農場は、下の写真のように回りを畑で囲まれたとっても平らな大地にぽつんと立っています。牧場と畜舎とチーズ工房と自宅が広い敷地に建っています。庭にはライラックの花が咲き、花壇や子供用の滑り台やブランコがあります。犬や猫も飼っていて、とても楽しそうなところで、働いているという印象でした。

人が住むのにも良い環境の中でチーズが作られています。

サントモール・ド・トゥーレーヌAOCの作り方の中でいろいろな疑問がありましたが、その中の一つが、一体どういう風に外皮に炭をつけているのか?という物でした。答えは下の写真のようにステンレスの台の上に塩の入った炭をぱらぱらと敷いて、その上をサントモール・ド・トゥーレーヌのチーズをころころと転がして、回りに炭をつけているとのことでした。なるほどなぁと思いました。これなら満遍なく炭を付ける事が出来ますね。

サントモール・ド・トゥーレーヌをころころと転がして、その外周に炭をつけます。

また、畜舎では驚いたことが2つありました。それは、やぎが干草ではなくて、フレッシュな緑色をした刈ったばかりの草を食べていたことです。また、家族が食べ残して硬くなったバゲットもおいしそうに食べていました。140頭ほどの少ない数のやぎを親子3人で大事に育てている事が良く分かりました。

緑色のフレッシュな草を食べるやぎを見たのは、初めてでした。また、ここの農場のやぎは、硬くなったフランスパンもぼりぼりと食べていました。

生き残りを賭けてなのか?最近の農家は、大規模経営に走りがちです。しかし、フランスではいまだにこうした小規模農家が生きて行けること自体がとても素晴らしいことだと実感します。北海道では、大規模経営にする為に新たに牛を買って飼育数を増やしたり、何千万円もする農機具や畜舎を建てるなど多額の借金に苦しむ農家がいると耳にします。そして、牛乳が売れないからと減産を要求されたりと大変気の毒です。ジャンさん達のようにちいさな規模でも農家という仕事が成り立つような社会になるといいのにと思いました。


サントモール・ド・トゥーレーヌの町とやぎのチーズを作る農家