スイスチーズのブースでグリュィエールクラシックとグリュィエールレゼルヴとグリュィエールアルパージュの違いを学びました。 |
10月23日(2006)、SIALのチーズ専門の5番館を見て回っていると、スイスのチーズのブースがありました。先日ランジス市場でグリュィエール・アルパージュを注文したばっかりだったので、そのチーズがあるかどうか見てみることにしました。とその時、どこかで見たことがあるスイス人の姿が目に飛び込んできました。あっ、そうです。それは2004年の5月にイタリアのパルマで開かれた食品見本市CIBUS(チブス)の後に、スイスに移動してレティヴァ(アルパージュ)というチーズの工場を訪問した時に、私達を迎えてくれた紳士、ビールマンさんでした。えっ?どうして?と思いましたが、彼の説明によるとあの後にレティヴァ協会を辞めて、今はグリュィエール協会で働いているそうです。スイスはチーズ産業を国を挙げていろいろな面でバックアップしています。例えば販売促進の為の出版物を出したり、SIALのような食品見本市に参加して、広く一般の消費者やプロのチーズ関係者に対して啓蒙活動を行っていま。そうした活動の中心的役割を果たしているのが、ビールマンさん達がいるグリュィエール協会なのです。 |
何という偶然の出会いなんでしょうか?先週からパルパージュについての疑問が沸いて来たところに、いい先生が現れました。それに今日は英語の通訳の方もいらっしゃいます。素晴らしい機会を得ました。そして、今回私達がランジス市場で買ったグリュィエール・アルパージュも以前から輸入しているグリュィエール・レゼルヴも置いてあります。これは質問するのには最高の条件が揃っています。 |
まとめますと、以下のようになります。グリュィエールは、スイス全体で、一年で合計29,000トンが生産されるそうです。その中でアルパージュのグリュイエールは500トン生産され、残りがグリュイエールとグリュイエール・レゼルヴとグリュイエール・BIO(オーガニック)です。 |
さて、その中でアルパージュ(Alpage)と呼ばれるグリュイエールはどのようにして作られているのでしょうか? まず、生産される期間は、一年の内で、5月中旬から9月下旬までの4ヶ月です。それ以外は外は雪が積もっていたり寒くて、草が無いために牛を放牧できないそうです。そしてその牛が放牧される地域は、標高が1,000m以上の場所になるそうです。そういう環境では植生も低地とは違うので、独特の草花を牛が食べることになるので、搾乳されるミルクも特徴があるとのことでした。そして、一般的なグリュイエールとの製法の違いは、ミルクを入れた銅釜を直火で加熱することが決まっています。これは、昔なら当たり前の製法なのですが、今ではほとんどのチーズは、工場の機械化が浸透してより操作が楽になってきたので、火は使いません。その代わりにミルクが入った銅釜の回りに熱い蒸気がめぐるようになっていて、釜の温度を上げたり下げたりが簡単に出来るようになっています。「直火で暖める。」・・・これはとても印象に残った事実でした。そして、チーズの型に入れられてから熟成させますが、一般的なグリュイエールは、6ヶ月から8ヶ月ほど熟成させて完成なのですが、グリュイエール・レゼルヴでは、それが10ヶ月以上になります。そして、このアルパージュのグリュイエールは、6ヶ月以上と決められているそうです。(ビールマンさんのお勧めは、10ヶ月以上だそうです。) |
こうして、実際のチーズを見ながら説明を聞いて、とても頭がすっきりとしました。このことをインターネットを通して、日本の消費者に人に理解してもらえるように記事を作りますとお礼を言うととても喜んでくれました。まるで私の頭の上に神様がいらしていると思わないと説明できない位に、素晴らしい出会いがこの仕事を創めてから数多く起きています。いろいろな人たちに支えられているチーズマーケット。それをいつも自覚して明日からも新たな疑問を解決できるように勉強したいと思います。いつも自分のことを神様が見ていると思うと、変なことは出来なくなります。そして大きく見せようとしたり、人からよく見られたいといういやらしい気持ちも消えて、ありのままの自分でいいと思います。そして、こういう気持ちでいられるので、何だかいつも一人じゃない気がして、次の新たなやる気も沸いてくるのです。 |
スイスチーズのブースでグリュィエールクラシックとグリュィエールレゼルヴとグリュィエールアルパージュの違いを学びました。 |