フランスで買うならマルシェの農家製やぎチーズ(フランスチーズの旅) |
今回もそうでしたが、私達がフランスに来る時に買うチーズはほとんどありません。以前は旅するごとに、チーズ専門店やスーパー、デパートに並ぶチーズに目を奪われ、あれこれと買って食べていました。でも2年前ぐらいからでしょうか?ランジス市場からおいしいチーズを輸入するようになってから、また旅を重ねるにつれて、先のチーズは買わなくなりました。表面や切り口を見れば、どんな状態なのか・どんな味がするのかが分かるようになったからです。また、ラベルを読んでどこのどんな工場なのかも分かるので、食べたいと思わないのです。またレストランでも、チーズを注文することはまずありません。チーズワゴンでどんな状態のチーズなのかを見ることが出来るお店ならいいのですが、予めお皿に盛られたチーズでは、どんなものが出てくるのか恐くて頼めません。リヴァロやロックフォールなども食べたい作り手が決まっているのです。でも、そうした私達が選んで輸入しているチーズはフランス中には余り出回ってはいませんので、そうではない普通?のチーズが出てくると知っているので注文しないのです。でもどうしても食べたいチーズは、札幌から持参して旅の間に食べています。いろいろな素晴らしい人たちとの出会いのお陰で、今やチーズマーケットのチーズの品質がフランスでもそう簡単に見つからないほどになっていると感じています。普段からいいチーズを見て・食べていると、目が肥えるといいますか、目利きが利くようになったと思います。「美しいものを見つめ、美味しいものを食べること。」は、人を変えていく力になると思います。 |
しかし、私達が買う場所が一つだけあります。それは、各地で開かれるマルシェに出ているブーゴーさんのような農家製のやぎのチーズです。今回もブザンソンからポンタリエまでの道中でいろいろな町に立ち寄って、おいしいやぎのチーズを買いました。それでは、それらの様子をご覧ください。 |
上の写真は9月21日、ポンタリエで開かれたマルシェ(朝市)で買ったお店です。サントモールのような形のものが半分の大きさで一つあったので買いました。買った理由は、表皮の波打つようなしわの目が細かく綺麗に入っていたので、いい状態のチーズだと思いました。 |
上の写真は、ルヴィエール(LEVIER)のマルシェで買ったお店です。アルピーノ種のやぎを飼っているそうです。サンマルスランのような形のやぎのチーズで、熟成の度合いは若めではなくてやや締まった位のを買いました。熟成してまるで干した鱈のような匂いがします。このお店では、表面にハーブや胡椒などがかかったチーズが数種類ありました。 |
上の写真は、ブザンソンのマルシェで買ったお店です。この店は出来立てのヨーグルトを固めたような若いチーズから、数ヶ月経って色が黒っぽくなり大きさも締まって小さくなったやぎのチーズまで5段階ぐらいに分けて売っていました。これはとても素晴らしいことだと思いました。何故ならやぎのチーズはどの段階かで、風味がとても大きく違うからです。こういう売り方ならどんな人の好みにも合ったやぎのチーズが提供できると思いました。 |
上の写真は、日本と違う電話のジャックを買おうとやってきたメイシュで見つけたチーズ屋さんです。彼もアルピーノ種のやぎを飼っているとのことでした。こうしたチーズはホテルの朝食で食べることが多いです。フランスでは、朝はパンとジャムだけの場合(飲み物はコーヒーか紅茶を出してくれます。)もあるので、こういう時にはやぎのチーズがあると栄養面でも助かります。また、一緒にマルシェで買ったフルーツも食べるようにしています。 |
チーズマーケットで売っているやぎのチーズを作るブーゴーさんも、以前はマルシェに出かけてはチーズを売って現金収入を得ていたそうです。でも今ではおいしさが認められて固定のお客さんが増えたので、マルシェには行かなくても済むようになったそうです。そしてそのお客さん達に喜んでもらえるように、日々やぎの世話をしてチーズを作っているそうです。こうした農家の作るやぎのチーズが美味しいのには納得できます。今では私達はこうした素晴らしい人間が作るチーズを多く取り扱っているので、フランスにやって来ても買いたいと心から思うチーズはとても少なくなってきたのです。時間をかけて手間をかけて豊かな自然の恵みをチーズにしたものは、人工的な味付けがありません。そうしたチーズだけをおいしいと感じられるようになったことは、とても幸せなことだと思っています。 |
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