それは例えば、上の写真の様な人が作ったサラミを輸入したいと思うことなのです。このブースは主にラッツィオ州にある個人商店が集まっていました。彼らはたった1個の台に自分のサラミを並べ、訪問者に試食をしてもらいながら商談していました。自営業なので担当者が年々変わることもありませんので、長いお付き合いができます。作っている人が、営業もやっているので、輸入に関していろいろな疑問が出た時も、いつでも答えてくれます。こうしたことが私達の安心につながり、それがひいては日本のお客さんへの安心につながるのです。 |
|
この様に取引する上での長所が多いのが、こうした小さなつくり手なのです。そして、さらに言うと、私達がずっと付き合いたいと思うような人間が作った食品を選べば、高品質なのにそれほど高くない良い食品が手に入ることが分かりました。海外では、言葉が100%通じない分、相手がどんな人間なのかは少しの時間一緒にいるだけでよく分かります。と同時に相手も自分達がどんな人間なのかがよく分かると思います。そして、お互いに話をしてその雰囲気から付き合いたいと思えば、その仕事はうまくいくのです。こういう視点に立てば、例えば値引きを強く要求したり、急がせたりするような人では、長く付き合って行くことは困難だと知るのです。そして、今では私達は輸入先も販売先も共に素晴らしい方達ばかりに囲まれて、ぐっと楽しく仕事が出来るようになりました。それは私達自身の人間力が、以前よりもぐっと高まったからでもあると思います。日本人の中でだけいるのではなく、こうして時折異国の地の人達の中に囲まれてみると、自分を客観的に見つめ直すことが出来て、自分に何が足りないのかが良く分かります。語学などの技術面の事ではなく、相手からもずっと一緒に居たくなる様な人間なのかどうかが分かります。まだまだ人間力が不足していることが分かるのです。もっともっと豊かな心を持った人間に成りたいと思います。 |
|
こうした素晴らしい人間に会う事が出来るのが、この仕事の良いところです。そして、素晴らしい人間は、必ず美味しいものを作ることが出来ます。深い愛が無いと美味しいものは作れません。と同時に一方で、美味しいものを作るには多くの手間と時間がかかりますし、一度にたくさんの量も作れません。今では私達はそうした事実をきちんと理解できたので、このようなとても小さなメーカーの食品を探し求める活動をしているのです。その成果を数ヶ月以内に形にして行きたいと思います。 |