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これがアクロバチック・ピザの実演(カンマラータ村、シチリア島)



今回は、カストロ・ノーヴォ・ディ・シチリア村の近くにあるおもしろいピザ屋さんのお話しです。それでは、さっそく中の様子をのぞいてみましょう。

アクロバチックなピザ職人、パスカリーノさんと美奈子店長。

ハイスタンダードのオリーブオイルを生産しているカストロノーヴォ・ディ・シチリア村にあるコッレ・サン・ヴィターレ。10月20日は、今回の訪問の最後の夜でした。次回の注文を終えて、会社に関係する男たちだけのピザパーティーに招かれました。場所は、隣村のカンマラータ村。車で15分ぐらいで着いたこれまた山にしがみつく様な町でした。夜8時半を過ぎ、霧で視界は5mぐらい。少し不安になりました。霧の中にそのピッツェリアはありました。テーブルに着き、注文した大皿に載ったピザが揃いました。ワインやビールで、「サルーテ(乾杯)!」と言ってグラスを交わし、「いただきます。」と食べました。熱々で薄い生地でとても美味しかったです。トマトとアンチョビのピザなどは、3.5EURO(483円)からの良心的なお値段。美味しくて、安いということはイタリアではあるようです。乾杯した途端、何やらみなさんにやにやして嬉しそう。事情を聞くと、今夜は男だけなので奥さんを気にせずに好きなだけ飲んだり、騒いだり出来るということで、自然と笑顔がこぼれてきたようです。

宴の最後に、アントニーノにピザを作っている所を写真に撮りたいとお願いしたところ、ガラス越しに見える厨房からOKのサイン。近づいて見させてもらいました。

ピザ生地は、常温で台の上においてありました。

 

1.一人前の大きさに揃えておいたピザ生地を大きなバットから出して、大理石の台に載せて打ち粉をまきました。

大理石の台の前には具が入ったトレーが並んでいました。台の左にはピザ釜が見えます。

 

2.生地を手のひらや甲を使い、広げています。倍ぐらいの大きさになるまでに、10秒ぐらいだったでしょうか? ともて素早い手つきです。

まさに職人技?手つきが素早いです。

 

3.生地を手で持ったかと思ったら、体の前の空中で生地を左右にぶるんぶるんと振りはじめました。

このあと、写真からはみ出すほど高く生地が飛びました。まさに曲芸です。

 

4.おっと、次の瞬間に、UFOのような巨大な円盤になり、回しながら垂直に投げました。生地はもはや皿の大きさをはるかに超えています。1からこの4までで、恐らく1分ぐらいだったと思います。この後、バトントワラーのように生地を真上に放り投げて、体をくるっと回ってから受け取ったり、下の写真の様に背中の方に生地を投げて、体を回転してから受け取ったりと、びっくりの連続でした。実際にこんなに近くで見たのは初めてだったので、とても驚きました。



私が最も驚いたのが、この様な小さな村にこんなにも素晴らしいピザ職人さんが働いていらっしゃるということです。日本だとちょっと有名になると、すぐにTVコマーシャルに出たり、都会に移ることが多いようですが、村の規模でこの腕前のピザ職人がいるとは、イタリアの職人の層の厚さと地元を愛する熱い心を感じました。イタリアに来ると村や町に住む人達が誇りを持っていて、都会の人に引けをとらないと申しますか、劣等感のない前向きな姿が印象的です。このようにヨーロッパの各国にある地方を訪れることは、掘り出し物があってとてもおもしろいです。イタリアに限らず、ぜひ地方を回られる旅を計画されますことをお勧めします。

この写真はピザ職人、パスカリーノさんのサイトから頂きました。

「ピザなんか投げて。」と、日本では「食べ物で遊ぶんじゃない。」と躾けられて来ましたが、郷に入っては郷に従えということで、大いに楽しませてもらった夜でした。最後にピザについてです。ピザは三食でいつ食べるものなのでしょうか? イタリア(シチリア島だけ?)では、昼食はゆっくりといろいろな物をたっぷりと食べるそうなので、昼にはピザは食べないそうです。この日のようにピザは夜に食べる様です。時計を見ると時刻は夜の11時。もしも、ピザ職人、パスカリーノさんがランチタイムと夕食の2つで働いていたら、とても重労働だなぁと思い、アントニーノに聞いたところ、彼は夕方からの出勤なので大丈夫だよと教えてくれました。さすがはイタリアです。アクロバチック・ピザのサイトをどうぞ。


これがアクロバチック・ピザの実演(カンマラータ村、シチリア島)