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パリの南にあるランジス市場にチーズを探しに行きました。



パリの南部にあるランジス市場には年に数回行っています。それは、チーズが季節ごとに変わるから何度も訪れないと一年でフランスで扱う全てのチーズを把握することが出来ないからです。これまでに8月は来たことが無かったので、今回はより楽しみでした。


ランジス市場の乳製品の長ーい建物

上の写真がランジス市場の中で乳製品を扱う会社が集まった細長い建物です。ヨーロッパ各国はもちろん、世界中から集まったチーズを満載にした10トントラックなどが、何台も横付けにされています。こうした建物が乳製品だけでも4棟ほどあります。その他に肉、魚、野菜、果物、生花、加工食品などを合わせると、もうとても歩いて回りきれないほどの敷地面積を占めています。またこの市場で働く人のためのレストランなども備わっています。これがヨーロッパを代表する食品市場なのです。ランジス市場はオルリー空港に近く、足が無い場合には空港からタクシーで10分ほどで行くことも可能です。(しかし、一般の方が入場できるかと不明です。観光客向けのランジス市場のバスツアーがあるようなのでこちらを利用されたほうがいいと思います。)

保冷車でチーズを仕入れにやってきたパリ市内のチーズ屋さん。

朝9時半に着きましたが、もうパリ市内のチーズ屋さんは仕入れを終えて、自分の車にチーズを積み込んでいました。この車の右側がチーズ部門の入り口になります。では、中に入りましょう。

スーツケースを持ったままでやってきたランジス市場。

中は全体が冷蔵庫になっています。8月といっても屋内は5度ぐらいでなので、予め長袖のシャツを3枚とジーパンを2枚重ねてはいて準備していました。でも30分居るのがやっとです。手袋を持ってくるのを忘れたのが失敗でした。手がこわばってシャッターがうまく押せません。時々外に出ては、体を温めてまた中に入るという繰り返しで、2時間があっという間に経ちました。

ランジス市場内のチーズが置かれている様子。

写真のようにチーズのメーカーのトラックや農家の方が直接運んできて、この市場にいろいろなチーズが並んでいます。上の写真では、カマンベールなどの小さいチーズが24個入りの箱のままで何段も積み上げられていました。


真剣な表情でチーズをメモする美奈子店長。


では、私達チーズマーケットでは、ここで何をするのかを説明いたしましょう。私がデジタルカメラでチーズの写真を取っていきます。全体のチーズの様子、そしてラベルの様子、また製造者やCEEナンバーも接写して撮ります。一方で美奈子店長は、写真のようにしてメモをとります。チーズの名前、チーズ1個の重量、1箱に入っているチーズの個数、製造者、CEE番号、住所などです。包装紙を少しはがしてチーズの状態や色、香り、手で持った感じを確かめます。そして帰国後にメモした情報とそれぞれの写真を見比べながら、照らし合わせていきます。そしてランジス市場の担当者にチーズの価格を尋ねます。またこれはいつでも輸入できるチーズなのか? または、出荷時期が決まっているチーズなのか? などを確認します。そして数量を決めていよいよ発注をするのです。どうしてこんなことが必要かと申しますとチーズの場合、例えばリヴァロと言うチーズの名前だけで発注をしてしまうと、自分が求めるメーカー製と違うリヴァロが送られて来ることがあるからです。つまり、自分達が美味しいと思うリヴァロを輸入するためには、製造者名をこうした事前調査できちんと把握しておくことが必要なのです。また、ランジス市場の取引先から全てのチーズのリストを私達にくれることはありません。彼らは年に数百種類のチーズを扱っているので、全てを網羅した顧客向けの配布用リストが存在しないのです。何が欲しいかをこちらが言えば、彼らは探して日本に送り届けてくれます。しかし、私達が何が欲しいかを決めるには、やはりこうした実際のチーズを現地フランスで触れて見てみることが必要なのです。チーズマーケットでは、数年前から現在までこのように現地ランジス市場にあるそれぞれのチーズの風味を確かめる取り組みを続けております。こうした事前調査を行った後で輸入を決めて販売をしますと、より自信を持ってお得意様にお勧めすることが出来るようになります。今回の事前調査の成果は、9月上旬からの輸入に反映させていきたいと思います。どうぞお楽しみに。

パリの南にあるランジス市場にチーズを探しに行きました。