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ニールさんのオーガニック食料品店は、野菜や果物などもあります。(ケアンズの旅情報)



オーガニックのバナナを生産しているハイケさんに良い人がいるからと紹介されたのが、ケアンズ市内でオーガニックの食料品の店を営むニールさんでした。このお店、「Neil's Organics(Organic & Biodynamic Farmers Market)」では、新鮮な野菜や果物を買い求められるのが魅力です。では、店の様子をどうぞ。


ピラミッド型のオブジェが店を探す目印になります。

まずお店の住所は、239 - 241 McLeod Street, Cairns です。通りの角に店があり、写真のような鉄製のピラミッドが目印になります。セントラルケアンズからですと、空港方面になります。歩いては行けないので、レンタカーがあると便利です。

 

ニールさんは、以前は農家をされていたそうです。しかし、重労働の割には収入が安定せずにいたそうです。そして、5年ほど前にこの店を始めて自分が知っている農家から新鮮でおいしい野菜や果物を仕入れては、販売しているとのことでした。下の写真のように色とりどりの地元産の野菜や果物が並んでいました。私達の様に旅先で自炊をして旅行する人たちにもいいお店だと思いました。今回チーズマーケットで輸入したドライバナナ。ニールさんも生産者のハイケさんから仕入れています。

次回には、ここでおいしい野菜を買って、自炊しようと思います。

また、下の写真のようにはちみつも必要な分だけ量り売りをしてくれます。見たこともない地元産の美味しそうなはちみつでした。


マヌカはちみつだけ効果があるわけではありません。どんなはちみつもあるのです。

チョコレートなどのお菓子は、日本へのお土産にもなります。私達がとても驚いたのは、あるビスケットでした。その原材料を見ると、小麦粉はもちろんオーガニックのものを使っていますが、その他の砂糖やカカオ豆、バターなど全てオーガニックであると書かれていました。原材料を100%オーガニックで揃えて作ったビスケットは、初めて見ました。また、豆や小麦粉、オリーブオイル、調味料といったものも充実していました。そして、食品だけではなく書籍なども販売していました。中には、市販されている加工食品に含まれている添加物のハンドブックもありました。ニールさんは、ただ安全な食品を売るだけではなくて、消費者にいろいろなことを知ってもらいたいという願いもあるようでした。


。ニールさんとは初めての出会いでしたが共通した思いがあって、とても多くの勇気をもらいました。

さて、下の写真に写っているニールさんと奥さんのノーマさんをご紹介します。「うちに来る人は、みんな顔と名前が分かる人たちがほとんどなんだよ。」と、ニールさんはおっしゃいます。「でもスーパーだったら、お客が誰だろうと関係ないし、誰が買ったかなんて興味も関心も無いでしょ! 10人、100人、1000人と来店者数に興味があるだけ。」と。

 

「売る相手を考えなくていい商売なら、たとえ自分が絶対に食べない物や食べたくない物でも平気で売れるだろうし、負い目も感じないで商売が出来る。」と思います。でも、もしも売る相手の人やその人の家族のことまで考えたり、来店するお客さんの事を「これからも一緒に生きていく仲間」とまで思えたら、店側の人間は、何を勧めるべきかを慎重に考える様になると思います。これが、「顔の見える商売」なのだと思います。そして、これこそお客さんから信用を得られる商売のやり方だと思います。私達が店に入ってすぐに見た光景は、ニールさんがお客さんと話をしている場面でした。そのお客さんが帰るとまた別のお客さんと話し出しました。こうして、みなさんはニールさんとお話をして買い物をしたり、終わった後にお話しをして帰っていくようでした。

ニールさんと奥さんのノーマさん。ノーマさんは、オーストラリアで生ま育った中国人2世だそうです。

国籍が違っても、肌の色や瞳の色が違っても、同じ理想を持って働いている人が居るんだと思うとうれしくなりました。最近思うことは、自分が出会っている人は、自分にとって必要であったり、相手にとって必要だからなのじゃないかと。ニールさんに出会ったのも偶然ではなくて、必然性を感じます。さすがは、ハイケさんのお友達。「いい人は、いい人とつながっている。」これは真理だと思います。ニールさんに出会う事が出来て、本当にいい刺激を受けました。そして、この店に買い物に来るお客さんもニールさんを信じる心を持っている人達なんだと思いました。(人を見て自分で感じて、その人を信じるというのは、人を見る目があるという事でそれも一つの才能だと思います。)

 

消費者が良質でありかつ妥当な値段の食品を手に入れる為には、自分の事をよく知っていてくれる店を持てるかどうかが最も重要だと思います。自分は単なる客数の中の一つの数字にすぎないのか、それとも名前と顔を知ってもらっているのか? そして、店側の人間が、自分の事を「これからも一緒に生きていく仲間」として認めてくれているか。

 

今の世の中では、たった一人の力だけで美味しくてかつ安全な食べ物を調べ上げて、それを一人で集めることは不可能に近いです。だからこそ、それぞれの道で高い理想を持ち、自分が食べたい物だけを作ったり・売っている人と直接つながる事が大事なんだと思います。こうした哲学を持っているニールさんとつながっているお客さんもまた幸せな人たちだと思いました。


ニールさんのオーガニック食料品店は、野菜や果物などもあります。(ケアンズの旅情報)