| TOP |  お買い物方法 |  9月(2007)の大分市の農家を訪ねる旅日記に戻る  |

川で天然の鰻を獲る様子を見ることが出来ました。大分県宇佐市町院内町広瀬の奥城尚義さん方で(9月2007)



9月11(火)も曇り時々晴れでしたが、暑い日でした。お昼ご飯を奥城さんご夫婦と一緒に頂いた後で、ご主人が近くを流れる川で天然うなぎの獲り方を見せてくれました。奥城さんの家からこの川までは、なんと歩いて1分もかからないほどの近さです。奥城さんは今年75歳で、もう70年近くこの川で季節ごとにいろいろなことをして、親しんできたというか遊んで来たそうです。そうして、この川からいろいろな自然の恵みを得て来られました。この川には今も魚はもちろん、蟹やうなぎなどの多様な生き物が住んでいるそうです。

家のすぐ近くにこんな豊かな川があるとは、・・・。素敵です。

うなぎを捕まえるためには、鰻の餌になる生きた小魚が必要です。その小魚を獲るために、プラスチック製の透明な仕掛けを用意します。その仕掛けの中に餌を入れます。これは市販の固形タイプの餌だそうです。

夏休み中の少年の様な姿をしている奥城さん。こんな体験だったら、都会に住む小中学生は目を輝かせると思います。

餌を入れた仕掛けを2つ作り、魚が通りそうな川底の別々の場所に設置します。仕掛けの先には、紐がついているので、その紐を川の中にある大きな石で固定します。

川底にある石はどれも丸みがあって、しかも藻が生えているので、とても滑りやすいのですが、奥城さんはサンダル履きでどんどん水の中を歩いていきます。

設置が完了した様子が下の写真です。右が川下になります。この餌の臭いが川下の魚に届き、おいしそうということで、魚が川上の方に泳いでこの仕掛けに餌があることを知って、中に入って来るのです。仕掛けを置いてから30分も経たない内に、もう10匹ほどの小魚が入っていました。仕掛けから離れてみると、「さて、何処に仕掛けを置いたかなあ?」と分からなくなってしまうので、仕掛けを設置した場所の目印として、その近くの岩に小石を置いておくそうです。この仕掛けのお陰で、うなぎの餌を得ることが出来ました。

以前持っていたガラス製の仕掛けは、より透明度が高く、今のプラスチック製のものよりも、多くの小魚が獲れたそうです。

次に数日前に設置しておいたうなぎの仕掛けを見に行きました。ここは本流からそれた川岸に近い場所で、流れがゆるく回りには水生植物がたくさん生えていました。細長い筒のような仕掛けを覗いて、うなぎがいるか調べましたが、カニしかいませんでした。仕掛けの中に新しい生きた小魚を入れて、再び同じ場所にうなぎの仕掛けを沈めました。こうしてまた数日後に、うなぎがかかっているかを見に来るのです。

真剣な顔で仕掛けの中の様子を見る奥城さん。

もう一つ別の場所にあるうなぎの仕掛けを見にいました。そこはほぼ本流で、先ほどよりも深い場所でした。奥城さんは、上半身がほぼ水に入るほどの深さにもかかわらず、どんどん川の中央まで進みます。とても75歳には見えません!仕掛けを引き上げると重みがあると仰いました。これは、ひょっとして・・・。

もう上半身しか見えないほど、深い場所まで川に入った奥城さん。このあと天然鰻とご対面できました。

いました。天然のうなぎです。私は生きているのを見たのは初めてでした。7月に行った竹田市にある農家民宿の志賀さんでうなぎの蒲焼を頂きましたが、生きている天然の鰻を見たのは初めてです。大きくて太っていて、美味しそうです。うーん、予定が無かったらここにもう一泊して、この鰻を少し食べてみたいと思いました。今日は奥城さんの農家民宿もお客さんがいらっしゃらないそうなので、自宅にある生簀にこの鰻を移して、次回にいらっしゃるお客さんに食べさせてあげるとのことでした。うーん、その方は本当にラッキーですね。

小一時間でこれだけの川の幸を頂きました。大いなる自然に感謝します。

大分県は豊かな川が多くあって、それらから川の幸を受け取ることが出来ます。今も尚こうした豊かな自然が残っていること自体、とても素晴らしいことだと思いました。そして、奥城さんのようにこうした自然を相手に出来る経験が積み重なっている人は、なんと楽しく暮らせるだろうなぁと思いました。私もチーズマーケットを廃業した後、そうですねぇー70歳位になったら、余生をこうした場所で積極的に暮らしたいと思いました。その為にも仕事の合間に、こうした日本にある大いなる農家の方々を訪れては、自然と向き合う経験を積んで行きたいと思いました。貴重な体験をさせてもらった奥城さんに感謝したいと思います。今回もいい旅が出来ました。^^)


川で天然の鰻を獲る様子を見ることが出来ました。大分県宇佐市町院内町広瀬の奥城尚義さん方で(9月2007)