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「農家民宿はこば」で番茶の作り方を体験。四万十川の上流の村、中津川(5月2007)



5月13日(2007)から宿泊をした農家民宿はこばさんで番茶の作り方を教えて頂きました。今回は摘み取ったお茶の葉から先のお話です。
 
田辺さんの家には、「かまど」があります。これでご飯を炊くとさぞおいしいおこげが出来るだろうなぁと想像するとお腹が減ってきました。さて、午後2時ぐらいから茶の葉を炒る作業を始めました。田辺さんが薪に火をつけて、釜を熱々に熱します。そこに摘み取ったばかりのお茶の葉を入れました。それを見た妻の客子さんは、すぐに先っぽが鹿の角のように二又になった棒(Vサインみたいで面白い形です。)を手に持って手際よくかき混ぜ始めました。

足元からは、燃えている薪の熱風がきます。

しばらくすると、葉全体がしんなりと柔らかくなってきます。ほうじ茶のような香ばしい香りがしてきました。餅好きの私は、つぶ餡子の餅をお茶で食べたくなりました。薪の火力はかなり強い気がします。それだけ釜の前に立つと熱気を感じます。

中華鍋の様に底が深い形をしています。

嵩(かさ)が半分以下になったぐらいでしょうか?客子さんの「もうそろそろよ。」という合図で、美奈子店長が先ほどの棒を使って炒ったばかりの葉をざるに移し換えます。

こぼさない様に慎重に棒を使ってざるに移します。

釜の前の部屋では、夫の荘市さんが大き目のざるを用意して待っています。そこに炒ったばかりのお茶の葉を入れたと思いきや、軍手をはめた手ですぐにそして力強く揉み始めました。ざるの目地に葉を押し付けながら擦るような感じで力を入れていくと、次第に一枚一枚の葉が丸くまとまってきて、何枚かの葉同士もつながってきて嵩がますます小さくなります。この作業で部屋中がお茶の緑色の香りがしてきました。

かぶりものの手拭が似合っている田辺さん。真剣にお茶と向き合う後ろ姿がカッコいい!

一通り田辺さんの作業の様子を見た後で、さっそく美奈子店長が挑戦しました。押すのに力と時間がかかりますが、葉が冷めない内に手早くやらないと、葉がきれいに丸まらなくなります。

写真を撮ろうとすると、ポーズを取ってくれる美奈子店長。今日もごきげんです。

葉を力強く揉むこと、4,5分間でようやく下の写真のようにお茶の葉らしくなってきました。炒ったのと揉んだお陰で、葉の中の水分が出てきて、しっとりとした葉になってきました。これをござの上で天日干しをすれば、お茶の完成だそうです。

農薬を使っていない自然なお茶。少し分けてもらったお茶は、少しずつ大事に飲んでいます。

この作業をしていた時に面白い発見がありました。それは、お茶の葉を摘んだ時に、誤って新しい葉や芽ではなくて、前年に生えた硬い葉も摘んでいても、下の写真のようにこの「揉み」の工程で、これらの硬い葉だけは、まとまらずに異物としてざるの上に残ってくることでした。自動選別機のような働きもこの「揉み」という工程にはあるのです。

固い葉は新しい葉とは交じらない! 驚きの発見でした。

こうしてこの段階で、容易にお茶に使う新芽と新しい葉以外の異物を手作業で選別出来るのです。もしも、葉に何かのゴミが付いていても、この段階で取り除くことが出来るのです。

さて、次回はこの工程の次にする「お茶の天日干し」についてのお話をしたいと思います。自分で作ったお茶が飲めるなんて・・・。何と幸せでしょう。


「農家民宿はこば」で番茶の作り方を体験。四万十川の上流の村、中津川(5月2007)