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農家民宿はこばで、おいしい新茶の茶摘みを体験。四万十川の上流にある中津川(5月2007)



5月13日(2007)から宿泊をした農家民宿はこばさんで眠った翌朝は、とても目覚めのいいもでした。今日は自家農園の茶畑で新茶の茶摘をさせて頂くことになっています。せっかくここまで来たので、1泊で翌朝に帰ってはもったいないので、次の日(14日)はこの村で一日を過ごすことに決めていました。でも、何をするかを決めてはいませんでした。13日の夕食後に田辺さんとお話をしていた最後に、「明日、何か農作業をやってみたいのですが、・・・」とお聞きすると、「それじゃぁー、1/3だけ残してある茶畑で茶摘をしませんか?」おっしゃってくれました。うーん、何と運がいいのでしょう!すぐにお願いしました。うれしー!
 
おいしい朝ごはんをゆっくり1時間ほどかけて頂いて、10時過ぎから茶摘みを始めました。茶摘みは、今日のような天気の良い日でないと行わないそうです。雨だったり、また前に日に雨が降って葉が濡れていたりすると品質が悪くなります。また曇りだとせっかく摘んだ葉を干そうと思っても出来ないので良くないそうです。そういう意味でも今日は朝からぐぐっと気温が上がってきて日差しが強くなってきているので、絶好の茶摘み日和です。下の写真の中央には、田辺さんが見えます。とってもリズムよく片手でどんどん葉を摘んでいきます。お茶の木は、大人が立った時にちょうど腰よりも少し上で新芽(葉)を摘める様な高さになっています。これなら手作業でやっても姿勢が楽です。なるほどーと思いました。また、この畑も農薬などを散布していないそうです。うーん、早く飲んでみたいです。(実はもう飲んでいました。・・・前の日に到着した時に奥さんがお茶を入れてくれました。)

農家民宿はこばを経営する田辺さんの茶畑。そのほとんどは自家用と民宿に泊まるお客さんように栽培されています。

まず最初に田辺さんと奥さんの客子(ひとこ)さんが摘み方を見せてくれました。新しい葉をつまんで手のひらで握り、そのまま手前に引くような要領です。ずっとやっていると葉の方から自然に千切れて来るような感覚があって、なかなか面白いです。また、新芽(葉)と昨年までに生えた葉とは色が明らかに違うので、硬い葉を摘み取る事はありません。

田辺荘市さんと奥さんの客子(ひとこ)さん。手馴れた手つきでどんどん新しい葉を摘んでいきます。

下の写真が摘み取ったばかりのお茶の葉です。鼻を近づけてもお茶の香りは全くしません。これを蒸したり炒ったりしてからお茶の香りが出てくるのだそうです。葉は柔らかくて、ここままオリーブオイルをかけて食べられそうです。^^)

摘み取ったばかりのお茶の葉。とても柔らかい葉でした。また、裏側はやや白い色をしています。

11時を回った頃になると日差しはますます強くなってきました。熱射病にならないように少し水を飲みに行きました。そして、途中の作業の様子をデジタルカメラで写しながら、また茶摘みをしました。こうして、約1時間半ほど作業をしてお昼ご飯を頂きました。午後からの作業を始めようと茶畑に戻ると、摘み取った葉が日光で少し乾いて縮んで小さくなっていました。その様子が下の写真です。

日差しが強いせいか、しばらく摘んだ葉をそのままにしておくとしなびて来て嵩(かさ)が減ってきます。

さて、下の写真の話をしたいと思います。この茶畑は、田辺さんのお隣の家の畑ですが、様子が少し違います。5月なら新芽で青々しているはずですが、枯れているような感じに見えます。早朝に会ったお隣のおばあちゃんにその事を聞くと、今年はこの茶畑で虫が大量に湧いたので、これ以上被害が広がらないように思い切って全ての木を刈り取ったということでした。今年の収穫はあきらめてまた来年にかけるとのことです。田辺さんの茶畑もお隣さんも皆農薬を一切使っていなので、まさに自然任せの恵みです。たまたま今回はこの様なことになったようですが、田辺さんの所に虫が来ることもあると思います。しかし、もしもお茶の一大産地でこのような虫の被害が出たら、収穫が全く出来なくてその地方の経済に大きな影響が出ると思いますので、そういう所のお茶畑では、田辺さん達のように無農薬を通すのは、なかなか難しいのではないかと容易に想像できました。

田辺さんのお隣さんの茶畑。今年は虫が大量に付いたので、収穫をあきらめて全ての葉を刈り取ったそうです。無農薬ならではの決断です。

やっぱり、私は口に入れるものは、出来るだけこうした農薬を使っていない人が作るものを食べたいと思いました。45歳にして初めて茶摘みが出来て、とても良かったです。都会の人はこうした生産地の様子を見ないで(知らないで)、値段や能書きや美しい包装に目が行きがちですが、一度でも生産地を訪ねる事は、自分が食べる食品を考える意味でも大きな参考になると感じました。

あまりたくさんの量が無くてもいいから、良い物を選んで少しずつ食べていきたいと思いました。こうした事に気が付くきっかけをくれた田辺さんご夫婦に感謝したいと思います。


農家民宿はこばで、おいしい新茶の茶摘みを体験。四万十川の上流にある中津川(5月2007)