| TOP |  お買い物方法 |  5月(2007)の高知市と四万十町の農家を訪ねる旅日記  |

四万十川の上流にある山間の町、大正町は日本の古き良き時代があって素晴らしい。(5月2007)



5月14日(2007)、高知市から車で約2時間半ほど走って、四万十町の大正町にやってきました。途中、須崎や窪川などの町にある道の駅で、地元の野菜や果物や加工食品を買いました。とても楽しいひと時でした。道草を食っていたので、予定よりも遅く、それでも夕方6時前には大正町の中津川に着きました。大正町の中心部から中津川への道は、途中で軽四輪が一台やっと通れるほど狭い道もあり、右にある川に落ちないかとドキドキしました。うっそうと茂る木々の間の道は、まるでトンネルの中にいるほど暗い道もありました。この先に人が住む村があるのかと不安に思っていると、突然景色がぱっと広がりました。

写真の左側には高い山があります。集落は写真の右側にあつまっています。こちらは比較的低い山になっています。

四方を大小いろいろな山に囲まれた日本の山村という感じがします。家は全部数えても50戸ほどでしょうか?小さな川があり、耕された畑やこれから苗を植える田も見えます。車から降りてよく見ると、平らな土地は僅かしかなく、人々は石垣で作った段々畑にして耕作しています。柿の木やお茶の木なども植えてあります。自給自足が出来るくらいいろいろな作物を植えています。それらを見ているだけで、こころがうきうきしてきました。

石を積み上げて出来た段々畑。手入れが行き届いています。

すぐ上の写真の手前側には、小川があります。そして、コンクリート製の橋が架かっています。それが下の写真です。欄干が無いので、渡るには少し勇気が要ります。歩くならいいのですが、私にはレンタカーでこの橋を渡る勇気は出ませんでした。幅は2mほどでした。

ちょっと怖い感じがする橋。でも落ちても低いので、大丈夫だと思います。

この橋から上流を見た様子が下の写真です。この川もやがては四万十川に合流するそうです。よく見ると鮎などの小さな魚がすばやく泳いでいるのが見えます。水は澄んでいて飲めそうなほどです。浅いので夏なら裸足になって川の中を歩くことも出来そうです。魚以外にもいろいろな水中生物がいて、採集して図鑑で調べたりするのも楽しそうです。

私が子供の頃は、こうした小川はたくさんありました。でも、よほど都会から離れないと今では見つけられません。

ここには、日本の古き良き時代の村の暮らしが残っていて、本当に良かったと思いました。何とかして、こういう村がずっと続いていくようになって欲しいです。

中津川地区の人口はもう何十年もの間、激しい増減がなく大体100人から120人ほどで推移しているそうです。(ここ数年では高齢化が進み若者は都会に働きに出て、90人ぐらいです。)なぜ、大きく増えたり減ったりしないかというと、この地区にある畑や田んぼ、そして山など全てから得られる糧を合わせても、やっと100人の生活を賄うほどしかないということなのです。交通の便がそれほど発達していないこうした多くの日本の山村では、食料は基本的には地元で調達するしかありません。都会の様に海外から輸入したものが入ってきたり、別の地域から移入するのは無いからです。地域の人達は、助け合い工夫をしながら、自然を相手に働きかけて何とか一日の糧を得て暮らしているのです。村にある田畑をよく見れば、そのほとんどが段差があったり、形が揃っていないなどで、例え気機械化してもさほどの労働軽減につながらないことが想像されるので、農作業も大変だと思います。しかし、その分人々はよく体を動かしているせいなのかとても澄んだ目をしていて、高齢の方も背筋が伸びて元気一杯に暮らしていらっしゃいます。それだけ毎日自然を相手にして真剣に生きておられるのだと思います。その時、私ははっとしました。しかし、これほど広い田畑や山があっても、僅か100人ほどの生活しか賄えないという事を。もっと人口が多い都市部の人間が生きていく為には、それに見合うだけのもっと広い田畑が都市部とは違う別の場所に必要だということを。しかし、それとは逆に世界各地では、年々草原や耕地が砂漠化して急速に減っている問題も起きています。一方で日本では、交通の便などが悪いなどの理由で、廃村になった村も増えていると聞きます。ただでさえ平地が少ない日本なのに、これはとても大きな問題だと思います。これからでも遅くないので、日本の地方にもっとテコ入れをして、皆がもっと農業のことを考えてアイデアを出し合いながら、日本国内に耕地がもっと増えるようにしないと日本の未来は暗いと思いました。都会に暮らしているけれど、食べるものは都会以外のどこかの土地で作られていることに気が付き、このままではいけないと思いました。だから、札幌に住む私のように都会に暮らす者こそ、農村のことをもっと考えないといけないと思いました。いろいろなことを考えさせられた四万十町の大正町(中津川)の訪問となりました。


四万十川の上流にある山間の町、大正町は日本の古き良き時代があって素晴らしい。(5月2007)