| TOP |  お買い物方法 |  5月(2007)の高知市と四万十町の農家を訪ねる旅日記  |

高知城近くの日曜市(露店)は、農家と消費者が出会う素敵な場所(5月2007)



5月13日(2007)、ついに高知にやってきました。東京乗換えの飛行機の旅はそれほど疲れませんでした。ゴールデンウィークは働いて、混雑を避けて旅行が出来るのも自営業者の利点の一つです。さて、空港でレンタカーを借りて、JR高知駅に近い日曜市に向かいました。日本全国にはいろいろな市があるところがありますが、この日曜市は、朝だけでなく夕方4時、5時近くまで通しでやっているのが大きな特徴です。一体どんな農家の方がいるのかとても楽しみです。

JR高知駅からも歩いて行ける距離にある日曜市。追手筋にあります。

市に着いたのは、午後3時過ぎだったので、いくつかの店は閉店の準備をしていました。さっそく、もちを買いました。大福と草もちが4つ入っていて200円。うーん、泣けてきます。あとで頂きましたが、とても美味しかったです。そして、あんこの材料の小豆は北海道産ということでした。やっぱり、小豆は北海道がおいしいです。一つ買うと勢いが付いて来ます。その後は、なすの糠漬け、切り干し大根、干ししいたけ、自家製の薄口醤油。そして、バジルの苗もあまりに元気そうだったので、2つ買いました。札幌まで持って帰りましたが、今も元気です。全ての店には、テントの屋根の下辺りに大きな名札がぶら下がっています。生産者や販売者の名前が表示されています。買ったお店の名札をカメラで記録しておくと、あとで問い合わせをして送ってもらうことも出来るかもしれません。

お店には、誰が売っているのかが分かるように札があります。美味しかったら、連絡をして発送してくれるようにお願いする時にも便利です。

売っているものは、農産物が中心です。野菜や果物、それらの加工品(餅、ジャム、漬物、醤油、味噌、乾物類)、そして、水産加工品もあります。じゃこ、鰹のたたき、鰹節、鯖の姿寿司などもありました。また、下の写真の店の様に銅板を使った金属加工の道具を売る店もありました。

ご夫婦で銅製のやかんや水差しなどを販売していたお店。とても穏やかなお顔でした。

日本の多くの農家では、農協に出荷する野菜や果物を作っていますが、お決まりの販売ルート以外に、道の駅に出したり、このような露店市で自分で売る機会があるというのは、とても良いことだと思いました。販売ルートを複数持つ事は、値崩れや売る機会を失うといったいろいろなリスクを回避できるからです。また、せっかく手塩にかけて大事に野菜を作ったとしても、農協に出すだけではその他多くの野菜と混ざった状態で出荷されてしまい、その良さが消費者には伝わりにくいからです。発展途上国で栽培されるコーヒーやバナナなどをもっと生産者の生活が向上するように取引金額を上げていこうという「フェアートレード」の考え方もそうですが、私はこうした真面目な生産者が当然受け取るべき正当な金額で取引がされる仕組みを作ることが大切だと考えています。つまり、農家(生産者)が、売り先=農協という一つのルートだけではなくて、いくつかの販売ルートを持っていて、農産物毎に有利な条件のルートに自分の野菜を流していく仕組みが整うといいと思います。その為にも今正に実行されている高知県のこの方法を見習い、多くの都道府県で道の駅や露店市や無人販売所、農家直営店などがどんどん増えることを期待しています。欲しい人に直接農家の人が売ることが出来る露店市は、販売の原点だと思います。私にとって高知県は、まさにマルシェが充実したフランスのような地域でした。農協−卸売り市場−大手スーパーマーケット(デパート)−消費者だけのルートでは、”食の多様性”は形成されて行かないのです。


高知城近くの日曜市(露店)は、農家と消費者が出会う素敵な場所(5月2007)