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自営業の良い点は、ストレスがないことです。好き勝手に働けますよ。



自営業の良い点にはいろいろとありますが、特に気に入っているのが「働いていてストレスが全く無いし、生活でもストレスが無い。」ということです。少なくとも私の場合、ストレスはほとんどありません。美奈子はよく私に云います。「それだけ、好きなようにやっていて、ストレスがあったら呆れるわ。」と。はい、そうなんです。だから、「癒したいとか、癒されたい。」とかいう世界とは無縁です。どうして最近の日本人はそんなにも疲れているんだろうかと不思議です。また、まるで疲れてないのは働いていないみたいな、みんなが疲れていても当たり前の様な、つまりみんなで我慢比べでもしているような社会風潮には疑問を感じます。こんなにも厳しい条件で働いている労働者がほとんどなのです。せっかくの一度の人生なのに・・・。仕事も大事だけど、日本人はもっと生活を楽しむべきだと思います。こんな考えになったのも自営業をしてからですし、自営業に成れたお陰でヨーロッパ各国に行き、日本人以外のヨーロッパの人達の生活の様子を見聞きしたからです。そうした経験から、日本人は余りにも働きすぎでおかしな社会だと気が付いたのです。例えば一年で30,000人もの自殺者が出るなんて、先進国で日本ぐらいです。その多くが仕事を苦に命を絶っているそうです。全くひどい話だと思います。また、「GNPが世界第2位」とうけれど、別に胸を張れる事ではありません。儲かったお金は、だれを豊かにしているというのでしょうか?これほど日本国民が皆休まずに働いていたら、GNPが大きくなって当たり前です。でも、同じ先進国のヨーロッパ諸国では、誰もが長期バカンスもありゆったりと生活を楽しんでいながら、GNPもそれなりに高いのです。その差は未だにとても大きいのです。日本とは豊かさの質が全然違うのです。

南フランスのやぎのチーズ農家、ブーゴーさんのやぎの畜舎をお掃除しました。マリーは、農業高校の生徒。チーズ作りの実習にノルマンディー地方からやってきました。(JUNE 2005)

さて、私の場合自分の好きなことを仕事にしている点がストレスが無い大きな理由ですが、それだけではありません。自営業では当たり前ですが、私が親方なので私には上司がいません。また勤務評定もなければ、出勤簿もタイムカードもありません。バスや電車で出社しなくていいので、遅刻しないかという不安も早起きする必要もないのです。何だか「ゲゲゲの鬼太郎の歌」のような生活みたいですが ^^)・・・。毎日どれくら働くのか?何時から働くのか?何時まで働くのか?・・・全て自分で決めて好きなだけ働けばいいのです。そして好きなだけ休んでいいのです。これだとヨーロッパの人たちの様なバカンスも自分達で作れるのです。
 
とは云っても、働く時間が少なければ収入も自然と落ちます。でも、それもこれも全て自分で納得出来ればそれでいいのです。4年ほど前には、札幌の中心地にある地下街に支店を出していました。その時には、社員やパートさんを雇っていました。多い時期で6、7人位働いていたと思います。自分がトップでも人を使う事で気苦労があるもんだなぁと思いました。従業員がいるだけで、ある種のストレスがありました。一例をあげれば地下街は年中無休だったので、店を開けていて自分だけ休むわけにも行きませんでした。月にたった一度、半日だけ休んでも従業員から電話がかかってきますので、常に頭から仕事のことが離れずに休んだ気になれないのです。こういう年中無休の店を持つ事は私には無理だと感じ、体を壊す前に決断しました。結局500万円ほどの借金を残して、わずか半年足らずで店をたたみました。でも、閉めて本当に良かったです。
 
気の持ち方で、同じ環境でもストレスを感じたり、感じなかったりする人がいると思います。でも、私の場合は今の仕事の内容が一番ストレスを感じないで働けています。つまり、美奈子とパートさん2人の計4人ほどの規模で働く環境です。月に二日の休みでも。


そして、今ではすっかり自分達のペースで働く事が出来るようになりました。これを可能にしたのは、何といましても取引先の飲食店さん達の理解のお蔭です。いい人たちと取引ができて本当にありがたいと思っています。そして、今の目標はこの仕事の規模とペースを維持しながら毎年続けて行くことです。これ以上、売り上げが増えなくていいのです。これが私達が決めたことなのです。会社の規模を大きくして売り上げを伸ばしても、比例して多くの従業員を雇わなくてはならず、その人事管理には神経も多く使うことになります。それならば、今の規模で好きな日に休んだり働いた方がよっぽどいいと納得できたのです。

そして、ここ数年は新年をオーストラリアなどの暖かい国で迎えて何もしないで過ごします。この旅行で年末までの仕事のお疲れさん会をやっています。12月はとても忙しいですが、精神的なストレスは全然ありません。単なる筋肉疲労です。^^)その時に、二人で今年は何回、何処の国の田舎に行こうかと。そしてどこのチーズ農家を取材しようかと。またどの国の食品見本市に行こうかと計画するのです。普段は月に二日の休みしかないですが、こういう旅行にも行けるので、この働き方が合っているかなぁと納得しています。
 
こんなスタイルで働いたり遊ぶことが出来るのも、私達が大きな組織の中の一人として働いているのではなく、家族経営の有限会社を興して、自営業を営んでいるからこそ出来るのだと思います。
 
全ての自営業が私達のようなスタイルで働いているかどうかは不明ですが、いろいろな自営業の人達と話しをしていると、気持ちや時間やお金に余裕のある人が多いような気がします。一緒に話をしていて、とても楽しいです。そうした方は、店頭でも買いっぷりのいいお客さんが多い様な気がします。自営業の人は使えるお金が割と自由なので、いくら以内にしなきゃという発想が無いのです。欲しいものがあれば、値段を気にしなくて何でもいくらでも買えるのです。このように仕事を離れた生活のいろいろな場面においても、金銭的なストレスがないのもまたいいのです。どうしてそんな事が出来るかと言えば、自分の仕事の待遇や給料も自分で好きなように決めることが出来るからなのです。これはとてもすごい事だと思います。
 
そして、好きな仕事を長く続ける為にも、やっぱりいつでも楽しく働きたいものです。その為には、仕事のやり方をいろいろと工夫して自分に合うように変えていく必要があります。10代、20代の若い方がこれから仕事を選択される時に、どこの会社に就職しようかと考えられる他に、私達のように起業して自営業になることも一度検討されると、仕事に対して新たな発見があるかもしれません。「ストレスがない仕事」、今の日本でこれを探すのはとても難しいと思います。ならば、自分から新しい仕事や会社を作ればいいんです。



自営業の良い点は、ストレスがないことです。好き勝手に働けますよ。