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クラウディアさんのアグリツーリズモ(Malga Candriai)は、良い環境で牛を飼育しています。 2008年5月



5月13日(火)(2008)の夕方、トレント市の西にそびえ立つモンテ・モンドーネ(2,091m)を目指しました。余りの急な山道なので車で登っていても気圧が急に変わって耳がいたくなるほどでした。Candriaiという小さな町に今日のお宿のアグリツーリズモがありました。
 
山を上がった所に家があったので、見晴らしは抜群でした。そうです、下の写真では、向こう側が崖になっているのです。向こうに見える白い山は3,000m前後の山脈で、中にはその山頂にTVや電話などのアンテナが林立している山も双眼鏡で見えました。

都会のトレントのすぐ西にある2091mのモンテ・ボンドーネに行く途中の小さな町、Candriaiにクラウディア&ワルターさんの家があります。ここでも標高は、1,000m以上あります。スキー場もあるのです。

さて、今回の話題です。このアグリツーリズモでは、牛の飼い方が今まで見て来た人たちと少し違っていたのでご紹介します。妻のクラウディアさんと夫のワルターさんが3年前からここに家を建てて始めたそうです。その前には別の場所で8年ほどアグリツーリズモをされていたそうです。ここでは、馬と牛を飼育しています。そして、ペットとして3匹の犬を飼っています。
 
その牛ですが、下の写真の様に別々のゲージに入れて飼っています。中を見ると生まれて間もない子牛が一緒にいます。そうなんです、ここではお母さんとその子供が一緒にゲージにいるのです。一般的な酪農のやり方ですと、牛が出産してまもなく(2,3日)すると、赤ちゃん牛を母牛から離します。そして、別の場所で牛乳を与えて育てて、しばらくすると牧草を食べさせるようにします。こうして、なるべく子供に牛乳を飲まれない様にして、出荷する牛乳の量を増やすのです。でも、ワルターさんは、そうはしないで長く子牛を母親といっしょにしています。自分の乳を赤ちゃん牛に与える環境を整えてあげているのです。牛乳の出荷で生計を立てていないからこそ出来るのだと思います。また、これではお金にはならないですが、私は素晴らしいと思います。

一頭一頭が仕切られた空間で飼育されています。写真では見えませんが、どの空間も親子が暮らしています。

また、牛を別々のゲージに入れることで角も切る必要がないので、どの牛も立派な角がそのまま生えていました。南フランスで280頭ほどのやぎを飼育しているブーゴーさんのやぎも全て角はブーゴーさんが切っていました。やはり同じ場所で複数のやぎを飼うと時々お互いに喧嘩をして、体や目に怪我をしてしまうからだと話してくれたのを思い出しました。
 
また、今年の2月に100%放牧で牛を飼育しているサルデェーニャ島のヨゼさんの牛は、全て角が生えていました。これが一番自然に近い酪農の姿だと思いました。できれば、牛でもやぎでも羊でも角も切らずに残して欲しいと私は思います。

クラウデァさんが作るいろいろなチーズ。夕食で出してくれました。写真は業務用の様な少し大きめ(1畳分ほど)の冷蔵庫です。

さて、ここの牛の牛乳とチーズも頂きました。どちらも美味しかったです。若いチーズで柔らかいチーズでしたが、食事の最初だったこともあって、200g以上も口が止まらない感じでパクパクと二人で食べました。そして、ここの料金がまたびっくりでした。なんと一泊二食付で一人35ユーロ(約5,600円)でした。部屋も広くて綺麗。それにベットも清潔。シャワーのお湯もたっぷりと出ます。うーん、このお値段からもお二人の愛を感じました。まあこういう牛の飼い方をするご夫婦ですから、それだけでも愛に溢れていることは分かりますが、・・・・・。^^)素晴らしい人に会えて幸せでした。


クラウディアさんのアグリツーリズモは、良い環境で牛を飼育しています。 2008年5月